「教育問題」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか? 不登校やいじめ、学歴第一主義、若者の自己肯定感の低さ……など、ニュースやインターネットから私たちに入ってくる情報だけでも多くの教育問題があることが理解できるでしょう。また、世界に視野を広げてみると、日本とは異なった教育問題を抱えていることも分かります。今回の記事では、日本と世界の教育問題をご紹介し、世界の教育問題にアプローチしている団体を5つご紹介します。この記事がさまざまな教育問題を考えるきっかけになれば幸いです。
もくじ
日本が抱える教育問題
さまざまある日本の教育問題の中から、ここでは3つの教育問題をご紹介します。10年、20年先の社会が、子供たちにとって生きやすい社会になることを目指して現在の問題を考えていきましょう。
画一化に偏重した教育
日本の多くの教室では、一斉画一の授業が主流。教室の前面には黒板があり、先生が黒板の前にいて、子供たちは全員黒板の方に向かっているというスタイルです。これは、同じ内容を同じスピードで同じように理解させるには効率的なやり方です。
しかし、価値観や働き方が多様化する現代において、子供の個性を伸ばすことは、子供の将来を考えれば重要な視点です。それにもかかわらず、一斉画一の授業をしていることは、日本の教育課題と言えるでしょう。
学歴第一主義
「受験戦争」という言葉がある通り、大学受験を勝ち抜いて大学に入学することが、教育の目的になりがちになっています。学歴を重視する考え方は、いい大学に入学すれば、いい会社に就職することができ、豊かな暮らしをすることができるという一昔前の思想が源流になっています。
しかし、ペーパーテストで問われる問題に正解する力だけでは、社会に出てから通用しないことは明らかです。2020年の学習指導要領改訂に向けて、対話を重視した学習やアクティブラーニングの取り組みが学校現場では試行錯誤されていますが、学歴第一主義を脱するためには教師や大人のより深い理解が必要になりそうです。
不登校やいじめ
文部科学省の調査によると、2017年度の小中学校における不登校児童生徒数は14万4,031人とされています。高等学校の不登校生は4万9,643人で、ともに前年よりも増加しています。
また、いじめの認知件数は、小・中・高等学校及び特別支援学校で41万4,378件。児童生徒1,000人当たりの認知件数は30.9件と報告されています。
参考
平成29年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省P2,3,4
これだけの人数の子供たちが学校に行けずに悩みを抱えていたり、いじめで心に傷を負っているのです。また、いじめが原因で命を絶ってしまう子供もいます。教育哲学者の苫野一徳さんは、同年齢集団という学年学級制度が同調圧力を生み出しやすく、異質な存在を排除しようとすると述べており、学校の仕組みに問題があると捉えることもできます。
参考
日本の教育問題の根本にある「学年学級制」を克服する大胆提言|現代ビジネス
日本の教育課題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。