日本のSTEM教育の課題
日本でもSTEM教育への取り組みが行われていますが、もちろん課題もあります。最後は、日本のSTEM教育の2つの課題点をご紹介します。
男女格差
2015年のPISAの結果を見ると、日本の科学的リテラシー平均点はシンガポールに次いで2番目に高い結果です。しかし、男女で平均点の格差があります。科学的リテラシーの平均点では、男子が545点なのに対して、女子が532点です。
男子が女子よりも13ポイント点数が高いことがわかります。しかし、本来男女での学力差はなく、先進国の中では男子よりも女子の方が平均点が高い国もあります。これは、日本ではSTEM(科学的な)分野は、男性の分野であるという固定概念があると考えられます。
参考
どのようにカリキュラムに取り入れるか
そもそも、STEM教育との関係性が強い「数学」「理科」「技術・家庭」などの教科は、日本の学校現場には存在しています。また、2020年の学習指導要領改訂により小学校でプログラミングが必修化されることや2022年の学習指導要領改訂により高校で「情報」や「理数探求」というSTEM教育と非常に関係性の強い学習内容もあります。
それらの学習内容と世界のSTEM教育の動向を確認しながら、どのようにカリキュラムに取り入れていくかが課題になります。専用の時間を取るのか、音楽や美術とコンバインした学習時間を設けるのかなど、現場の工夫と、専門家や行政のサポートが必要になるでしょう。
まとめ
STEM教育は、グローバル化やIT化していく世の中に適応していくために必要なものです。海外の国だけでなく、日本でもSTEM教育の必要性が出てきています。海外の情報も取りながら、日本の課題を客観的に見つめて、大人も子供もSTEM分野の学習を深めていくことが大切なのかもしれません。
参考
世界のエリートが重視する「STEM教育」日本が抱える2つの難題|現代ビジネス
STEM教育とは?21世紀型の新しい教育「STEM教育(ステムきょういく)」|コエテコ
このままでは日本が危ない?!STEM教育とSTEM型人材が求められている理由とは|久留米工業大学