中学校
中学校でも、小学校と同じように文部科学省のホームページに実践例が挙げられています。
中学校全学年 外国語(英語)
身近な場面における出来事や体験について、プロジェクタや実物投影機等を活用して映像や静止画、イラストを提示して、自分の考えや気持ちなどを英語で書かせるようにする。
(引用元:第5章 初等中等教育における学習指導でのICT活用|文部科学省)
英語学習では、英語の発音を音声だけでなく口の動きを映像として見せることで、発音の仕方がより理解しやすくなるよう工夫しています。
中学校全学年 音楽「楽器の演奏」
児童生徒が演奏した様子をデジタルビデオカメラなどで撮影し、その様子を提示して、改善点や工夫点に気づかせるようにする。
(引用元:第5章 初等中等教育における学習指導でのICT活用|文部科学省)
体育や音楽などの技術系の教科は、自分の動きを撮影して確認することで、多くの気づきを得ることができます。
特別支援学校
特別支援学校でもICTを活用する動きは起きています。例えば、タブレット端末を利用することで、障がいによる物理的な操作上の困難を支援しようという「アクセシリビリティ」の考え方を重視した取り組みが行われています。
例えば、弱視などの理由によって読むことが苦手な子供に対して、教科書の文章を音声で聞くという活用がされています。また、書くことが苦手な子供に対して、タブレットの画面にペンではなく手で直接書き込む方法を導入したり、話を聞くのが苦手な子供に対して、映像を見せながら説明する工夫も施されているようです。
ICT教育のメリット
ここまでICT教育の実践例をご紹介してきましたが、ICT教育を行うことで子供にとってどのようなメリットがあるのでしょうか? ここでは、3つのメリットをご紹介します。
学習の効率化
従来の授業スタイルは、先生が黒板に説明や大切な部分を書き、児童生徒がそれをノートに書き写します。先生が黒板に書いている時間は、子供たちは完全に待ちの状態になります。先生の話に集中すればするほど、思考が停止しやすい時間とも言えるでしょう。
しかし、ICTをうまく活用すれば、あらかじめ教師が準備した授業やインターネット上の情報を一瞬で共有できたり、子供が自ら情報を取りに行くことができるようになります。その結果、主体的に学ぶことができます。
さらに、自動丸付け機能などを利用すれば、先生1人が数十人の子供の丸付けをする必要はなく、並んで待つ時間が学習を進める時間に変わるでしょう。
個別に最適化された学習
タブレット端末やパソコンを使うことで、個人個人に合った学習を行うことができます。人の力で学習を提供しようとすると、極端な話ですが先生が子供の人数と同じだけ必要になります。
しかし、ICTを活用することで、その子供の理解度に応じた課題を提示することができます。また、子供が自分で課題を選ぶこともできるので、周りと比べて優劣を感じるのではなく、自分自身の学習に向き合うことができます。
情報活用能力の向上
2017年5月に内閣府が発表した「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」によると、スマートフォンや携帯電話、ノートパソコンなどの機器を利用したことがある子供は下記の通りです。
(参照元:低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査|内閣府,P4)
3歳の時点で、約半数の子供がICT機器を利用しています。10年前とは異なり、いまの子供たちにとってICTは身近な存在であることが分かります。だからこそ、ICTを積極的に活用し、どのように使っていけばいいのか正しく理解していくことは必要不可欠です。ICT教育を行うことで、ICT機器の活用方法も含めた情報活用能力を伸ばすことができます。