シティズンシップ教育とは?海外の実例や日本での取り組みについて ( 2 )

日本でのシティズンシップ教育の取り組み

神奈川県教育委員会

神奈川県下の学校では、政治参加教育、司法参加教育、消費者教育、道徳教育の4テーマでシティズンシップ教育を実施しました。

政治参加教育は、3年に1度の参議院議員通常選挙の機会を活用した模擬投票が特色である(詳細は後述)。そのほかには、県の「明るい選挙推進協議会」が実施している「かながわ選挙カレッジ」と連携して政治参加意識の向上に取り組む例などがある。

(中略)

司法参加教育については、横浜弁護士会、横浜地方裁判所、横浜地方検察庁等と連携して、高校で模擬裁判を実施、被告が有罪か無罪かとその理由をグループで考えて発表し、最後に、弁護士などに講評してもらうなどの取り組みがある。

(中略)

消費者教育は「税金のない世界になったらどうなるか」をテーマにしたビデオを視聴して生徒が税金について話し合い、税金を納める意味を学んだ高校、社会保険労務士を招いて日本の社会保障制度の課題について講演を聞き、グループで解決策を考えた高校などがある。

(引用元:シティズンシップ教育|河合塾ガイドライン

兵庫県立兵庫高等学校

「未来の創造者の育成」を掲げて、シティズンシップ教育を実施しています。

未来を創造するグローバルリーダーの育成をめざし、①社会創造力(社会に貢献する意思)、②科学的思考力(科学的に考え、論理的に伝える力)、③複眼的思考力(広い視野を持ち、異なる立場を理解する力)の育成をめざし、さらにこれらを生かして「正解のない問題に対応する力」を身につけることができるよう、さまざまな取り組みを行っている。

(中略)

『創造基礎B “輝ける未来創造都市”神戸の実現に向けて、高校生の力を発揮しよう!』では、地域の課題を生徒たちの力で発見し、関係者とのコミュニケーションを図りながら情報を集め、問題解決のための方策を探り、その実践を行う。

(中略)

2013年度に限界集落の研究で連携した石井地域づくり協議会は、生徒の提案で「高校生鉄人化まつり」で特産品の石井三みつ椏また和紙の紙すき体験を実施した。そのことで地域住民が和紙の魅力を再発見し、和紙の商品化に取り組み、「地域コミュニティ・アワード2014」を受賞した。

(引用元:シティズンシップ教育|河合塾ガイドライン

高校生の地域を巻き込んだ取り組みが、地域をも動かした好例になっているようです。

日本のシティズンシップ教育の今後

シティズンシップ教育から政治参加へ

シティズンシップ教育を深めるために、民主的な学校教育システムへの参画が求められます。現状では、管理型の学校教育システムで、子供たちが学校で生徒会活動、学級活動を通して、意見を出し合い、全体の合意を取れたら実現するという参加民主主義、協議民主主義の体験を得る機会が不足しています。それによる政治や選挙への無関心につながっているという問題を指摘されています。まずは、学校の中での政治参加体験を子供たちに提供するのがいいのかもしれません。

さらなるシティズンシップ教育の推進を

18歳選挙権の導入などで若者も政治参加できる仕組みが作られ始めています。政府は、各省庁と連携を取りながら、シティズンシップ教育の推進を目指しています。単なる知識的な学びにとどまらなず、社会参加が今後は求められるでしょう。

終わりに

シティズンシップ教育を実践していくために、地方自治体や学校、地域が協力し合って、子供たちにその機会を提供することが重要です。政治や社会、経済への関心を高め、国家の一員であることを認識、行動していくことが今後も求められるでしょう。

参考

シティズンシップ教育|河合塾ガイドライン

学校教育におけるシティズンシップ教育の課題|東海学園大学教育研究紀要

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