日本のインクルーシブ教育
問題がいくつも重なり合っている
文部科学省では、「インクルーシブ教育システム構築事業」において日本のインクルーシブ教育の課題を複数挙げています。まず、全児童、生徒が減少傾向にある中で、特別支援教育の対象となる児童生徒が増加傾向にあること。次に、「合理的配慮」及び「基礎的環境整備」への対応が教育現場で困難なこと。医療・福祉などの関係機関との連携体制が必要ですが、その先行事例やノウハウも蓄積されてないことを課題としています。
問題解決のための4アプローチ
複雑な問題解決のために、主に4つのアプローチを取っています。
まず「新たな就学先決定」。適切な就学先を決めるため情報提供や相談会を早期から実施するため、「早期支援コーディネーター」の設置など、医療・福祉関係機関との連携整備や、事例収集を行っています。
「合理的配慮」では、抽象度の高い概念から、一人ひとりに具体的な支援を行うために「合理的配慮協力員」が対応。「障害のある児童生徒への専門的支援」では、小中学校を支援する特別支援学校に言語聴覚士、作業療法士を配置して、体制整備事例を収集します。
「医療的ケア」では、看護師を学校に配置して、医療的ケアの必要な子供に対する支援を行います。
こういったアプローチを行い、「合理的配慮」という概念の普及・実践、「基礎的環境整備」の推進における諸課題の解決を目指しています。