就学前教育が子供に与える影響とは?小学校との連携についても紹介 - cocoiro(ココイロ)

「子供には無限の可能性がある」「小さなうちからいろいろな体験をさせたほうがいい」と見聞きすると、「何をさせればいいの?」「特別なことをしなければいけないの?」と悩む人もいるかもしれません。小学校就学前の5、6年間で受けられる教育には、どのようなものがあるのでしょうか。就学前教育の種類や子供に与える影響、そして気になる小学校との連携についても紹介していきます。

就学前(しゅうがくぜん)教育とは?

就学前教育とはどのようなものなのでしょうか。詳しく解説していきます。

満1歳から小学校就学前までの子供が対象

就学前教育とは、小学校に入学するまでの子供に施す教育のことです。対象が幼児のため、「幼児教育」や「幼年教育」とも呼ばれます。一般的に家庭教育ではなく、教育機関での専門的な教育を指します。

就学前教育の種類

就学前教育にはどのような種類があるのでしょうか。それぞれの特徴と子供に与える影響についてご紹介します。

幼稚園

満3歳から小学校就学前の幼児を対象とした教育施設です。公立、私立とあり、保育料金や保育時間は園によって異なります。保育時間は、午前中に登園、午後に降園するのが一般的なようです。自由保育、小学校受験教育、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育など、とる方針は園によってさまざまです。最近では2歳児を対象とした「プレ教室」を設ける幼稚園も増えてきています。

幼稚園では、1日の約3分の1を集団で過ごすことで、集団生活におけるマナーを身につけていきます。あいさつや片付けなど、生活習慣をていねいに指導する園が多く、幼稚園を卒業した子供は比較的しっかりしているとされることが多いようです。

保育園

0歳から小学校就学前の乳幼児を対象とした児童福祉施設です。認可、認証、無認可などの種類があります。認可保育園に入園可能な子供は、保護者が仕事や病気などの理由で保育が難しいと判断された場合のみで、誰でも入園できるわけではありません。認証・無認可保育園は空きがあれば入園可能ですが、保育費用は認可に比べて高くなりがちです。保育時間は保育所や自治体によって異なりますが、7時~19時が一般的です。英語に特化した園、スポーツに特化した園など特色を持つところもあります。

幼稚園と比較して保育時間が長いことから、保育園を卒業した子供は「たくましい」「自己解決や工夫ができる」「自立している」と評されることが多いようです。

能力開発教室など

子供の才能を最大限に伸ばすことを目的とする「能力開発教室」、幼稚園や小学校の志望校合格を目標とする「受験対策教室」などがあります。能力開発教室は0歳から始められるのが特徴。取り組み内容はフラッシュカードなどを用い、五感をフルに使って脳を刺激する教育など、教室によって異なります。「クボタメソッド」「七田式」が有名です。一方、受験対策教室は、受験をパスするための知識習得に重点的に取り組みます。特定の学校に合格するためのカリキュラムが組まれるところもあるようです。

いずれの教室も、子供にとってプラスになることもあれば、負担になることもあります。親が主導で無理に進めるのは考えものです。

習い事(英語、水泳、音楽など)

子供の習い事は多種多様です。英語、水泳、音楽、バレエ、体操など、感性を育てるものから、技術や技能の習得を目的とするものまでさまざまです。ベネッセ総合研究所が1歳6ヶ月~6歳11ヶ月までの幼児を対象とした習い事に関するアンケート調査では、以下のような結果となりました。

【表1−2−3 習い事をしているか(子どもの年齢区分別・就園状況別 15 年)】

(参照元:第5回 幼児の生活アンケート,p20|ベネッセ教育総合研究所

低年齢(1歳6ヶ月~3歳11ヶ月)の子供は、体を動かす習い事、同年齢の保育園児は通信教育と英会話が多い結果となりました。いずれにしても習い事をしている割合は全体の3割にとどまっています。習い事をしている割合を年齢別に比較した調査結果は以下の通りでした。

【表1−2−1 習い事をしているか(子どもの年齢別 経年比較)】

(参照元:第5回 幼児の生活アンケート,p18|ベネッセ教育総合研究所

これによると、全体の約半数が習い事をしていることが分かります。この調査外ですが、英語や水泳は0歳児から始められるクラスも多くあります。リトミック教室は親子参加を基本としているなど、習い事の内容・年齢対象ともに広がっています。

早いうちから習い事をすることによって、好奇心や五感を育てることにつながりますが、子供によっては、負担になることもあります。習い事をさせるときには、子供に合っているか、無理なく楽しめているかを注意深く見守るようにしましょう。