中学生のお子さんにスマートフォンを持たせるべきかどうか、悩んでいる保護者の方は多いでしょう。スマートフォンは便利な反面、トラブルの原因となったり依存症につながったりする恐れもあります。中学生のお子さんに安全にスマートフォンを使ってもらうためには、親子間でのルール作りやフィルタリング機能の活用が有効です。そこで今回は、中学生のスマートフォン事情やルール作りの具体例、フィルタリング機能などについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
もくじ
中学生のスマホ事情
まずは、中学生のスマートフォン事情を把握しておきましょう。中学生のスマートフォン所有率や使用目的、気をつけたいトラブルや使いすぎの問題、中学生がスマートフォンを持つことのメリットなどについてご紹介します。
中学生のスマホの所有率
スマートフォンを使っている中学生の割合はどれほどでしょうか。
東京都が2019年に小学生・中学生・高校生の子供がいる都内在住の保護者2,000人を対象に行った「家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」によると、スマートフォンを使っている中学生は全体の89.2%でした。都内在住の中学生に限定されますが、実に9割近くがスマートフォンを利用していることになります。
また、内閣府が2018年に行った別の調査「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、中学生の70.6%が「スマートフォンを使ってインターネットを利用している」と答えています。
調査によって数字に違いはありますが、中学生の多くがスマートフォンを日常的に利用していることは間違いないようです。
中学生のスマホの用途
中学生のスマートフォンの用途についても見ていきましょう。
先ほどご紹介した東京都の調査「家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」によると、東京在住の小学生・中学生・高校生の携帯電話・スマートフォンの使用目的は下記のとおりとなっています。
子供の携帯電話・スマートフォンの使用目的
電話をする | 71.2% |
メールをする | 60.8% |
SNS・コミュニケーションアプリ | 49.7% |
動画を見る | 46.0% |
インターネット | 38.0% |
ゲームをする | 37.8% |
カメラ撮影 | 34.7% |
音楽を聴く | 33.4% |
学習・調べもの | 31.3% |
その他 | 0.3% |
(家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査|東京都都民安全推進本部, P26より筆者作成)
中学生に限定すると、使用目的として「電話」を挙げた割合は57.4%、「メール」が55.2%、「SNS・コミュニケーションアプリ」が74.6%となっています。
使用目的の上位3つを見ると、誰かとの連絡やコミュニケーションにスマートフォンを利用する中学生が多いことが分かります。
スマホを巡るトラブル
スマートフォンを巡るトラブルは、中学生のお子さんを持つ保護者の方にとって大きな心配事の1つです。SNSなどを介して中学生が犯罪に巻き込まれたニュースを見るたびに「うちの子は大丈夫だろうか」と不安になる方も多いことでしょう。
2018年4月に警察庁が発表した調査結果によると、SNSに起因する事件で被害に遭った子供の数は2017年に1,813人と過去最高を記録しています。被害児童のうち89.4%がSNSへのアクセス手段としてスマートフォンを利用していました。被害児童に占める割合は、中学生が37.3%、高校生が51.9%となっており、中学生・高校生が全体の9割弱を占めています。
参考
平成29年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策について|警察庁
こういった犯罪被害以外にも、SNSを介した誹謗中傷やいじめ、個人情報の流出、意図しない有料サービスの利用など、さまざまなトラブルが起こっています。
保護者としては、犯罪被害やインターネット利用によるトラブルの実情を知り、スマートフォンを持たせる際に事前に対策を考えておく必要があるでしょう。
後述しますが、スマートフォン利用による犯罪被害やトラブルを防止するためにはフィルタリング機能の利用が有効といわれています。また、親子で話し合った上でのルール作りも大切になってきます。