子供の歯ぎしりで見逃してはいけない注意点
歯ぎしりが日常生活に良くない影響をもたらすケースもあります。大人であれば、鏡を見て歯がすり減ったと感じる、または歯科の定期健診で「歯ぎしりしている」ことを指摘されたら気に留めます。ですが、子供のこととなれば大人が注意してあげるよりほかありません。
この章では、子供の歯ぎしりで大人たちが見逃してはいけない注意点について触れていきます。
口呼吸、唇をかむ
歯ぎしりの影響で不正な歯並びやかみ合わせとなってしまい、悪い習慣がついてしまうことがあります。その一例が、ポカーンと口を開いて口呼吸をする、唇をかむなどの行動です。
こういった場合、親が「口で呼吸しないで!」「唇をかまないで!」と一方的に言うのではなく、なぜこのようなクセがついてしまったのか、普段の生活から原因を見つけましょう。
滑舌が良くない
滑舌が良くないというのは、歯ぎしりによるかみ合わせの悪さが影響しているとも言われています。
子供の会話の発音が悪い、ハキハキと喋れないという点が見られたら、歯ぎしりのことも確認することをおすすめします。原因を突き止めれば、子供も前向きな気持ちになるかもしれません。
飲食がしにくい
歯ぎしりをしすぎると、歯がすり減ってしまうという話もよく耳にします。このような事態が起きると知覚過敏を起こしやすくなり、飲食するときに歯がしみるという感覚を覚えてしまいます。ほかにも歯の中にある神経に影響を及ぼし、日常生活に影響をきたすことがあります。
しかし、一般的には子供の歯ぎしりで日常生活に差し障るようなことにはなりにくいと言われています。決して神経質になる必要はありませんが、子供が食べづらそうにしているときは気をつけて見てあげましょう。
自律神経へのダメージ
歯ぎしりは寝ている間に無意識に行われているので、それを自覚していない子供もいます。このような状態が続くと、寝るべき時間に良質な睡眠が得られず、自律神経にまでダメージを与えてしまうことがあります。
子供の歯ぎしりがひどいと感じたら、子供の睡眠の質についても考えてみることをおすすめします。昼間にも、睡眠の質を高めるための習慣作りをしてあげましょう。
歯ぎしりを緩和するための対策法
子供の歯ぎしりは一過性であることが多いと言われています。しかし、歯ぎしりによって歯がすり減ってしまった、顎に痛みが生じてしまった……などの現象が起こる場合もあるかもしれません。
そんなときは、歯ぎしりを緩和する対策も考えておくといいでしょう。主に4つの対処法があるので、ピックアップしていきます。
マウスピース
マウスピースは、主に歯列矯正や、格闘技を中心としたスポーツシーンで使われていますが、歯ぎしりによる歯のすり減り防止としても使われます。
既製品のマウスピースもラインナップされていますが、やはり歯の形状にマッチしたオーダーメイドのマウスピースの方がフィットします。装着しやすいので、子供もストレスになりにくいでしょう。なお、歯ぎしりが理由のマウスピース使用については、健康保険の対象となります。
リマインダーの設置
歯ぎしりは、必ずしも睡眠中にだけ起きる現象ではありません。昼間でも無意識に歯ぎしりをする子供もいます。このようなお子さんには「リマインダー法(認知行動療法)」を用いてもいいかもしれません。
これが目に入ったら歯ぎしりをやめる! という意味合いのものを決めておき、子供が歯ぎしりをしたらそれを見せるのです。「歯ぎしりをやめる」という紙だけでも大丈夫です。このようにして、自分がいつ歯ぎしりしているのかを自覚させ、徐々に改善していきます。