本番に弱い原因は?実力を発揮して成功に導くためのトレーニング - cocoiro(ココイロ) - Page 2

本番に強くなるためのトレーニング

では、本番に弱い子でも本番で緊張をコントロールし、本領を発揮できるようになるにはどうしたら良いのでしょうか。

練習1:達成可能な高い目的を設定する

適切な目的や目標を設定するために、まずは子供自身が自分の実力の程度を把握しましょう。勉強であれば模試や資格試験を受けてみましょう。スポーツであれば試合や昇段試験を経験すると自分の実力を知ることができます。

自分の今の実力を知ることができたら、努力すれば達成できる高い目的を設定します。すると、その目的を達成するための道が見えてくるので、一つひとつ階段を上るように適切な目標を決めることができるのです。

自分の今の実力よりも少し高い目標を達成することで、子供は成功体験を増やすことができます。成功体験の多い子供は、本番を迎えても、これまでの成功を思い出して自信を持って取り組むことができます。

参考

営業ラボ 「目的」と「目標」の違い、きちんと理解していますか?意外と知らない使い分け|Surpass

練習2:苦しいときほど笑顔でいる

不安や緊張は人間に備わった危険察知能力であり、なくすことはできません。それならば、不安や緊張を受け入れることが必要です。プレッシャーに打ち勝つ心は、不安や緊張を抑え込むような根性があれば育つというわけではないのです。

そこで注目されているのが、ピンチでも折れない心の強さを鍛える「メンタルトレーニング」です。

メンタルトレーニングはもともと、宇宙飛行士の不安やプレッシャーを解消するために旧ソ連で取り入れられました。その効果が認められて以降、本番で本領を発揮するための心のトレーニングとして、スポーツやビジネスなどの各方面で取り入れられています。

日本メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会の代表である東海大学体育学部の高妻容一教授は、メンタル強化を目指す上で笑顔でいる大切さをNIKKEI  STYLEのインタビューで次のように語っています。

私がアメリカで出会ったプロ選手の多くは、苦しいときほど笑顔になって気持ちを落ち着けていました。そうすれば体の力みが抜けて呼吸も安定してくる。真面目な顔で心身に緊張を感じているときよりも格段に、パフォーマンスが向上するのです

(引用元:「根性」じゃ育たない プレッシャーに勝つ心の鍛え方|NIKKEI STYLE

つまり、笑顔でいることでポジティブなイメージが湧きやすくなり、本番という緊張した環境でも心身を落ち着けて前向きに取り組むことができるのです。

練習3:勝負どきだけでなく普段から行うルーティンを決める

ルーティンとは、決まった手順やお決まりの所作、日課のことです。特にプロスポーツ選手が行っているのを目にすることが多いのではないでしょうか。大事な場面でいつもと同じ手順や動作を行うことで、普段と同じ心身を保ち緊張をほぐす効果があるといわれています。

ルーティンは大事な本番前に行う一連の動作ではなく、ライフスタイルの中で24時間を通して行うことが大切です。絶え間ないルーティンによって心身を安定させることで、本番でもいつもの力を発揮することができます。

参考

五郎丸ポーズ、イチローのカレー…大一番で“いつもの力”を発揮するコツ プレッシャーで折れない心のカギ“ルーティン”を味方につける|日経Gooday

ルーティンを身につけると本番に強くなる その効果と身につけ方について|解決!アスクミー

練習4:シミュレーションを徹底的に行う

練習不足が原因で本番前に緊張してしまう場合は、想定外のアクシデントもすべて想定内にできるほど細かく状況を予測し、徹底したシミュレーションを行って練習することが大切です。パーソナルトレーナーの古家さんはNIKKEI  STYLEのインタビューで本番前の準備の大切さについて次のように説明しています。

私は、選手に「勝負は、試合前の準備で90%決まる」と教えています。

試合を前に、緊張で青ざめて「どうしよう?」とパニックになる選手がいますが、そうなるのは「準備不足」だからです。練習してきた作戦をきちんと頭の中で整理して本番に臨めば、試合が近づいて緊張が高まってきても「これとこれをやれば大丈夫だ」と安心できます。

(引用元:「本番に弱い人」を強くする 万年2位からの脱し方 格闘技界のチャンピオンメーカー・古家政吉さんに聞く【前編】(2/3)|NIKKEI STYLE

あらゆる場面を想定し、できるだけ想定外のことが起きないように事前の段取りをしっかりと頭の中で整理すれば、本番で緊張しても本領を発揮することができます。

参考

「緊張」しない人はいない。本番で緊張しないためにやっておくべきことは?|ブックバン