灯篭(とうろう)流しの意味やマナーを解説!全国の灯篭流しも紹介 ( 3 )

灯篭(とうろう)流しの気になる疑問

前知識のない子供は、見て感じたことをストレートに質問してきます。灯篭流しを初めて見る子供は、好奇心が刺激されてたくさんの疑問を抱くかもしれません。ここでは、子供が不思議がりそうな灯篭流しの気になる点について説明していきます。

精霊(しょうろう)流しとの違いは?

意味合いは基本的にどちらも同じ

精霊(しょうろう)流しは、長崎県をはじめとした一部地域で行われる伝統行事です。初盆を迎えた故人の家族が、死者の魂を弔って送る行事で、送り火の一種とされています。意味合いは、「灯篭流し」と同じといえるでしょう。

精霊(しょうろう)流しは長崎県などの一部地域限定

精霊流しは、長崎市をはじめとする長崎県各地で行われます。長崎市で行われる精霊流しは全国的にも有名です。長崎県でも波佐見町など、海から遠い町にはこの風習がないところもあります。長崎県以外では、隣県である佐賀県の佐賀市、熊本県の熊本市や御船町などにも同様の風習があります。

精霊(しょうろう)流しは「精霊船(しょうろうぶね)」を流すのではなく、運ぶ

精霊流しでは、「精霊船」が用いられます。精霊船は基本的に盆提灯や造花で飾りつけをしますが、最近では花紙やクリスマスツリーの飾りにおなじみのキラキラモールが使われることもあるようです。

初盆を迎えた故人の家族が、精霊船に故人の霊を乗せ、街中を回った後に「流し場」と呼ばれる終着駅まで運びます。昔は精霊船を海に流していましたが、長崎市では1872年に禁止されました。精霊船は水に浮くように作られておらず、流し場で解体されたり、人が一緒に川に入って数メートル流された後、川の中で燃やされたりします。

精霊船が街中を通る様子は、お祭りの山車(だし)さながらです。爆竹や鉦(かね)の音、掛け声などのにぎやかな中で行われるのが特徴です。

灯篭(とうろう)流しで火事は起こらないの?

2018年、石川県で開催された「加賀友禅燈(とう)ろう流し」では、約1,200基の灯篭を川に流したところ、倒れた灯篭の火が周囲に燃え広がったことによる火事が起こりました。消防によって約10分後に消火し、密集した灯篭が燃える被害があったものの、ケガ人は出ませんでした。残念ながら、今年2019年の開催は中止になりました。このほか、灯篭流しが原因で発生した火事はWebで検索したところ見つかっていません。しかし火を使っている以上、火事が起こる可能性はゼロではないといえるでしょう。

参考
石川)加賀友禅燈ろう流し、来年の開催中止決定|朝日新聞DIGITAL

川に流した灯篭(とうろう)はどうなるの?

近年では川や海の汚染が問題となり、流した灯篭をそのまま放置することは少なくなってきています。自治体によっては灯篭の放流を禁じているところもあり、その場合は川の下流で灯篭を回収したり、河川敷や海岸などに集めて回収したりします。回収は網を使って行うのが一般的です。灯篭流しを開催する自治体や主催団体は、流した灯篭を回収しやすいように放流ルートを考えたり、狭い範囲で行ったりして工夫や検討を重ねています。回収不要の水溶性の紙で作った灯篭が使われることも増えてきているようです。

灯篭(とうろう)流しに参加するときのマナー

灯篭流しは、おまつりや花火大会などと同時開催されることもあるため、子供の場合は特に「きれい!」「すごい!」などと気分が盛り上がってしまいがちです。笑顔の子供を見るのは親にとって喜びですが、灯篭流しは故人を弔ったり、思い慕ったりするために行われるもの。故人をしのびに来ている人が大半という意識を持ちましょう。はしゃいだり騒いだりするのは、マナー違反です。

また、灯篭流しには開催している自治体や主催団体で、それぞれルールがあります。持ち込みの灯篭を自由に流せるところは少なく、ほとんどの場合は開催団体が指定する灯篭を流すのが基本です。灯篭流しの当日は、主催者は来場する多くの人の対応に忙しいため、不明点がある場合には事前に確認しておくといいでしょう。灯篭流しの撮影自体は問題ありませんが、周囲への配慮は忘れないようにしてください。

まとめ

灯篭流しは亡き人をしのんだり、平和を願ったりする大切な行事です。日本以外にもハワイやインド、タイなどでも行われています。オアフ島のアラモアナ・ビーチパークでは、メモリアルデーの恒例行事として、2018年は灯篭流しに5万人以上が参加。さまざまなメッセージが込められた7,000基の灯篭が海に流されたそうです。

メモリアルデーとは、戦没将兵追悼記念日のことで、アメリカ人にとって大切な日。平和や亡くなった人を想う気持ちは世界共通のもの。灯籠流しは、騒ぎすぎないように気をつければ誰でも参加できます。お子さんと一緒に参加して、ご先祖様や平和について考えてみるのもいいかもしれません。

参考
灯籠流しに5万人以上が参加|alohastreet

参考
灯籠流し|Wikipedia
精霊流し|Wikipedia
全国の灯篭流しとその由来やマナーを紹介|幻想的な灯りに酔いしれる|IKI
精霊流しと灯篭流しの違いと意味を教えて!|豆知識PRESS
灯篭流しはゴミ流し!?流された灯篭たちの驚きの行方とは?|春夏秋冬イロハ

この記事をかいた人

高橋マリ―

元フリーアナウンサー。企業イベントMC、ラジオCMナレーションなどに携わるほか、科学専門番組のMC兼APとして大学教授などを多数取材。結婚後はしばらく専業主婦。のちに地域情報紙の編集・ライターに。夫の転勤で退職し、ドイツで妊娠、出産、保活を経験。関心は幼児教育、ダイエット、時短家事、アンガーマネジメントなど。2児の母。親子バレエサークルの名ばかり代表。現在はライターとして活動中。