地域ごとに見る終戦記念日
前述したように、終戦記念日といっても、国によっては日付や意味が異なるのが現状なようです。また、日本においても、原爆が投下された広島や、戦争の被害が大きかった沖縄など、地域によっては終戦記念日の受け取り方もさまざまあるようです。
広島の場合
日本がポツダム宣言を受諾するわずか数日前に、広島には原子爆弾が落とされました。
1945年8月6日午前8時15分、米国のB-29爆撃機が1機、広島市上空に現れ、小さいパラシュートを投下しました。これには原子爆弾が取り付けられていて、140,000人を超える市民の命が奪われました。爆発により、市の90%以上が損害を受けました。爆心地では、ほぼ全員が即死し、大部分の建物が跡形もなく破壊されました。
(引用元:原爆の日と終戦記念日|キッズ・ウェブ・ジャパン)
現在では広島の爆心地が平和記念公園となっており、8月6日になると平和記念式典が行われています。原爆が投下された8時15分には、平和の鐘やサイレンが鳴らされ、1分間の黙祷がささげられます。毎年式典には世界各国から参列者が訪日しています。原子爆弾を投下された唯一の国民である日本人にとって、終戦記念日と同じように忘れられない日となっています。
沖縄の場合
6月23日は、「慰霊の日」とされ、沖縄では毎年「沖縄全戦没者追悼式」が行われています。太平洋戦争において、唯一日本国民の一般住民が地上戦を体験したとされており、沖縄戦の犠牲者の約半数が兵隊以外の県民や子供だったとされています。
沖縄国民にとっては忘れられないメモリアルデーとされており、終戦記念日、長崎・広島への原爆投下日と並び、忘れてはいけない日として人々に受け継がれています。
靖国神社と終戦記念日
ニュースなどで耳にする“靖国参拝”ですが、靖国神社には、天皇への忠義を尽くして戦死した方が祀られています。侵略戦争の責任者とされたA級戦犯が靖国神社に祀られていることから、中国や韓国では首相が参拝することに対して抗議を行い、ニュースなどで取り上げられるようになりました。特に、終戦記念日になると、靖国神社では多くの参拝客でにぎわい、デモ行進などが行われるといいます。
靖国神社は、明治時代の1869年、新政府軍と旧幕府側との間で戦われた戊辰(ぼしん)戦争で戦死した軍人をまつるために創建された「東京招魂(しょうこん)社」が前身です。79年に「靖国神社」へと改称。「別格官幣(かんぺい)社」という特別の社格を与えられ、国家神道の中心的神社と位置づけられました。
(引用元:靖国神社って何? 「参拝」何が問題?/首相は「国に殉じた人に尊崇の念を」言うが…|日本共産党中央委員会)
子供と一緒に終戦記念日の日にできること
終戦記念日は、戦争を知らない世代にとっても受け継がなくてはいけない大切な日です。戦争の悲劇を繰り返さないためにも、子供と一緒に終戦記念日の意味について考えてみるのがいいでしょう。それでは、子供と一緒に終戦記念日の日にできることについて紹介します。
戦争の歴史について話す
戦争を知らない世代が増えています。まずは、日本における戦争の歴史について子供たちに知ってもらうことが大切です。小さな子供には絵本を使うなどし、戦争についてどう感じるか、隣国との歴史などについて語り合う時間を作ってみましょう。
一緒に黙祷をする
終戦記念日で大切なことは、日本が経験してきた戦争の過去を忘れないことです。そのためにも、平和に対する祈りをささげ、子供と一緒に黙祷をしましょう。戦争で亡くなった犠牲者に対しての冥福を祈りながら、正午に1分間の黙祷をする意味についても話してあげましょう。また各地で行われている平和式典に参加し、献花や黙祷をささげるのもいいでしょう。
終戦記念日は戦争の悲劇を忘れないために祈りをささげる日
戦争は二度と繰り返してはいけません。次の世代に戦争の悲惨さを伝えるためにも、終戦記念日は戦争について語り合ったり、犠牲者に冥福を祈る時間を持つようにしましょう。
参考
終戦記念日に関するトピックス|朝日新聞デジタル
日本人だけが8月15日を「終戦日」とする謎 | 外交・国際政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
平成最後の「8.15」に聞く 忘れぬため、何をすべきか|日本経済新聞
広島市 – 平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)の概要
子どもに伝える、大切な「終戦記念日」(8月15日) | 保育や子育てが広がる“遊び”と“学び”のプラットフォーム[ほいくる]