『羅生門』の読書感想文を書くときの3つの着眼点
読書感想文を書く上で大切なのは、自分の考えを書くことです。その上で、作品の主題を把握しておくと、自分の考えを書くための切り口になり、読書感想文を書きやすくなります。自分の考えを書くための切り口の参考に3つの着眼点をご紹介します。実際に読んでみて、しっくりくる切り口を選んで、考えを深めてみることをおすすめします。
「善と悪」に焦点を当てる
芥川龍之介の作品の多くは、価値観の対立に焦点が当てられます。『羅生門』では、「善と悪」という価値観に焦点が当てられています。
老婆に出会うまでの下人は、盗賊になる勇気を持てずに餓死を選ぶかどうするか途方に暮れていました。盗賊になることは、「善」とはいえません。ただ、老婆に出会って、生きるためにやむを得ない行為を「悪」と呼ぶことができるのかと考えるようになります。そして、結果的に下人は老婆の着物をはぎ取り、強盗を働きます。
「善と悪」に焦点を当てて、自分の考えを書くことで、作品の主題に沿った読書感想文を書くことができます。
なぜ「羅生門での出来事か」を考える
羅生門とは、平安時代の平安京の「大門羅城門」のことを指しています。なぜ「門」を舞台にしたのでしょうか。「善と悪」という切り口とともに、「門」が舞台になったことを一緒に考えてみると、より深い考察ができます。
下人の心情変化に注目する
最後は、下人の心情の変化を追っていくことです。「生きるのか死ぬのか」「善か悪か」「生きようとする意志」など、下人の心情は、羅生門での少しの間に大きく変化します。その変化を、自分だったらどのような行動をとるのか考えながら、感情移入して読んでいくと作品にのめり込み、自分の考えが自然と出てきます。
盗賊になり生きるのか、何もせずに餓死するのか。建前ではどうすることもできない、人間の本質的な部分がさらけ出されます。
まとめ
『羅生門』は、黒澤明監督が映画化もしている有名な作品です。短い文章ながら、人間の本質を「善と悪」「生への執着」という視点からえぐり出している芥川龍之介の代表作です。いまの自分の考えを正直にぶつけることで、考えを深めさせてくれる作品です。ぜひ、お子さんと対話しながら、考えを深めるサポートをしてあげてください。
参考
芥川龍之介『羅生門』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)|百人一首で始める古文書講座【歌舞伎好きが変体仮名を解読する】
『羅生門』あらすじ・読書感想文の書き方5例【中学生・高校生~】|読書感想文の書き方
芥川龍之介「羅生門」あらすじ・読書感想文|人間の”善と悪”とは?|エンタメ娯楽街道五十三次
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