オオマツヨイグサ (Oenothera glazioviana)
ヨーロッパで作り出された園芸品種で、日本には明治時代初期に渡来しました。夕方に咲き、朝にはしぼむ1日花です。花径は大きく6~8センチで、明るい黄色の花を咲かせます。花びらは4枚で、ハート型をしています。花が咲く大きさになるまで数年かけて成長し、花が咲くと枯れる1回結実性多年草です。
(参照元:hanakumo.09 | Instagram)
ユウゲショウ(アカバナユウゲショウ)(Oenothera rosea)
原産地は北アメリカ南部から南アメリカで、日本へは明治時代に観賞用として渡来しました。現在では野生化し、本州の関東地方から西に分布しています。花は昼間に咲き、花径1~1.5センチの小さい花をつけます。花の色はむらのないピンクで、中心部は黄緑色です。花びらは4枚で、花びらの先は丸くなっています。
(参照元:mijincoooo| Instagram)
参考
ユウゲショウ(アカバナユウゲショウ)[夕化粧]|みんなの花図鑑
月見草の花の見ごろ
月見草の仲間はおおむね5~9月が開花の季節で、特に7月が盛りです。コマツヨイグサは開花の時期が長く、5~10月にかけて咲きます。
参考
月見草(ツキミソウ)の花言葉と育て方!効果効能や見頃の季節は?|HORTI by Green Snap
月見草の花言葉
月見草の仲間には、昼咲きのものと夜咲きのもの、ひと晩で枯れてしまうものと数日咲いているものなどいろいろな種類がありますが、月見草の花言葉はほとんど夜咲きの1日花に関するものです。
ひと晩かぎりでしぼむから「ほのかな恋」「無言の献身」
月見草は、夏の夕方、日が落ちるころからつぼみがほぐれ始めます。その後みるみる花を開き、夜明けにはしぼんでしまいます。まるで人目を忍ぶかのようにひっそりと咲くので、英語で“Mute Devotion”という花言葉が付けられています。
“Mute”は「無言の」、“Devotion”は「献身」または「無私の愛」という意味です。「誰にも知られずに愛をささげる」という意味から、日本語では「ほのかな恋」「無言の献身」などと訳されます。
色が変わるから「移り気」「湯上り美人」
ツキミソウ(Oenothera tetraptera)は、咲き始めは白ですが、時間が経つにつれピンクに染まり、朝に花がしぼむころには濃いピンク色になります。白からピンクに染まるため、「湯上り美人」の名前で呼ばれます。
ツキミソウ(Oenothera tetraptera)だけでなく、マツヨイグサ(Oenothera stricta)も咲いている間に色が変わります。まるで定まらない恋心のようであるため、英語で “Inconstancy”という花言葉が付けられています。“Inconstancy”とは、直訳では「変わりやすいこと」という意味になり、「移り気」「心変わり」「不誠実」を表します。
色が変わらない昼咲きは「硬く結ばれた愛」
月見草の花言葉は、基本的にひと晩でしぼんでしまうはかなさや、色の変わる移ろいやすさなどに関するものですが、ヒルザキツキミソウ(Oenothera speciose)の花言葉は正反対で、「硬く結ばれた愛」です。
夜咲きの1日花が多い月見草の中でも、ヒルザキツキミソウは明るい昼間に咲き、咲き始めからピンク色のまま変色せず、数日間花を咲かせます。その様子が、変節のない愛に例えられています。
薬にもなる月見草
アメリカ先住民の万能薬
月見草(イブニングプリムローズ)は、強い抗炎症作用と抗菌作用が期待されています。アメリカ先住民の間では「王様の万能薬」と呼ばれ、外傷や皮膚炎をはじめさまざまな症状を治癒するのに使われていました。今日では、生理痛や生理前症候群の症状を和らげるために最も多く使われています。
アトピーに月見草オイルは有効か?
月見草(イブニングプリムローズ)からとれるオイルは、必須脂肪酸のγリノレン酸を豊富に含んでおり、この成分がアトピー性皮膚炎の改善に有効であることが注目されています。そのため、イブニングプリムローズオイルのサプリメント飲用が推奨されることがあります。しかし、イブニングプリムローズのサプリメント服用が、アトピー性湿疹を軽減するかどうかについては、いまだ科学的には証明されていません。
アトピー性皮膚炎は、「治療」より「養生」が大切です。入浴をはじめ衣類や肌自体を清潔にすること、保湿に気を配ること、皮膚を刺激しないことをまず心がけましょう。軽いアトピー性皮膚炎であれば、薬物療法をすることなくスキンケアのみで改善されるでしょう。