アンネの日記の読書感想文はこう書く!着眼点とポイントを押さえよう - cocoiro(ココイロ)

子供が長い休みに入ると親子共に頭を悩ますのが読書感想文です。課題図書ならまだしも、自由図書の場合はまずどの本を選ぶのかというところから始めなくてはいけません。

株式会社ベネッセコーポレーションが小学生の子供を持つ親を対象に行った「夏休みの宿題調査」によると、読書感想文を保護者が助言したり、一緒に制作したと回答した人は28.6%にも上っています。このことから、子供だけではなく親にとっても負担になっていることが分かります。

参考

「夏休みの宿題調査」多くの保護者が子どもの夏休みの宿題をサポート|PR TIMES

そこでこの記事では、子供の読書感想文にアドバイスをするときのポイントをまとめました。題材は『アンネの日記』です。小学生から読める内容のものですので、ぜひ読書感想文の題材として取り上げてみてください。

『アンネの日記』についてきちんと理解しよう

『アンネの日記』は、第二次世界大戦中にヒトラーによって迫害を受けたユダヤ人の少女、アンネ・フランクによって書かれた日記を、彼女の死後に父親のオットー・フランクが出版したものです。ユダヤ人狩りから逃れるために、隠れ家での生活を余儀なくされたアンネ一家の様子やアンネ自身の心の葛藤などがつづられた作品で、長きにわたり読み伝えられています。

あらすじ

『アンネの日記』の舞台は、第二次世界大戦でドイツにより占領されたオランダ・アムステルダムです。ドイツ労働者党によるユダヤ人の迫害から逃れるため、アンネ一家が隠れ家に移り住んだところから日記は始まります。

アンネは日記を「キティー」と名付け、まるで語りかけるような日記をつけ始めるのです。アンネは父が会社を経営する比較的裕福な家に生まれ育ったため、隠れ家に移り住むことができますが、そうではない一般庶民は毎日のように強制収容所へ連行されていました。

そのような状況の中、13~15歳という多感な時期を過ごしたアンネはさまざまな思いを日記に託します。周囲の人への不満、淡い恋心など、至って普通の女の子の日記かと思いきや、周囲の大人への批判や家族との軋轢など、とても15歳とは思えない鋭い洞察力なども垣間見えます。隠れ家が密告されてしまい連行されるその日まで、アンネは日記を書き続けています。

その後フランク一家で一人だけ生還したアンネの父・オットーによって出版されたものが『アンネの日記』です。

登場人物

『アンネの日記』で押さえておきたい登場人物は、やはりアンネ一家と一緒に隠れ家で生活をしている人々でしょう。アンネは子供ながら実に豊かな感性で、同居人たちを見つめています。読み進めていくと、さまざまな出来事を通して登場人物それぞれの人物像が見えてきます。

アンネ・フランク オットーとエーディトの次女

戦争が終わったら作家になりたいと考えていた

発疹チフスにより強制収容所で死亡

オットー・フランク アンネの父

元ドイツ軍将校

アンネからは非常に敬愛されていた

連行後も生き残り日記の出版に尽力する

エーディト・フランク アンネの母

アンネとは折り合いが悪い

姉のマルゴットのことはかわいがっている

マルゴット・フランク アンネの姉

物静かで女の子らしい性格

日記からはペーターに若干思いを寄せていたと考えられる

ペーター・ファン・ペルス 隠れ家の住人

ヘルマンとアウグステの長男

アンネと恋に落ちるが強制収容所に連行され死亡

ヘルマン・ファン・ペルス ペーターの父

フランク一家とは衝突が絶えなかった

連行後アウシュビッツ強制収容所にて死亡

アウグステ・ファン・ペルス ペーターの母

フランク一家との摩擦がたびたび見られる

逮捕後死亡と伝えられているがどこの収容所かは不明

フリッツ・プフェファー 歯科医

アンネとは折り合いが悪く日記では常に悪役となった

逮捕後ノイエンガンメ強制収容所で死亡

参考

アンネの日記|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出版までの経緯

『アンネの日記』はアンネたちが隠れ家に移り住んでからの様子が描かれていますが、その隠れ家での生活は2年足らずでした。

1944年8月4日、アンネたちは何者かの密告によって保安警察に逮捕され、それぞれ別の強制収容所に送られます。アンネたちを匿っていたのは、オットーの会社の従業員だったミープ・ヒース。ミープはアンネたちが連れ去られた後の隠れ家から、アンネの日記を見つけ保管していました。

8人の中で終戦を迎えることができたのはオットー・フランクだけでした。オランダへ帰還したオットーは、ミープからアンネの日記を受け取り、自ら編集して出版に至ったのです。