『永遠の0』の読書感想文を上手に書くコツ!物語の内容の復習も! - cocoiro(ココイロ) - Page 2

『永遠の0』の読書感想文の着眼点

戦争について考える

大東亜戦争の時代を生きた宮部久蔵の姿から、戦争について考える機会にしてもいいかもしれません。戦争を知る方たちが加齢のために亡くなっていく中で、戦争について知り、自分事として捉えて書いてみてはいかがでしょうか。読書感想文「永遠の0(百田尚樹)」|感想ライブラリーに掲載されていた感想文を一例としてご紹介します。

この考えを読んで、改めて読み直すとより深く気持ちが入って涙無くしては読めなくなった。わたしは松乃と似た立場であるために、戦争って大変だなーという客観的な立場では見られなかった。いつ旦那が宮部久蔵の立場でもおかしくないのである。おそらく現実はこんなに美しく結末を迎えることはできない。だからこそ、戦争はもう起きて欲しくないという気持ちが読むたびに強くなるのである。

(20代女性)

(引用元:読書感想文「永遠の0(百田尚樹)」|感想ライブラリー

もし戦争になったら、現実のこととして起こるかもしれない、そういった視点で書くと新たな視点に気づけるでしょう。

宮部久蔵の生きざまを考える

宮部久蔵は、臆病者と揶揄されましたが、一方で彼を慕う者たちも多くいました。なぜ彼らは宮部久蔵を慕ったのか、どんな人格の持ち主だったのかについて注目してもいいでしょう。永遠の0を読んで|読書感想文コンクール 中学校の部で、表彰された感想文を一例としてご紹介します。

宮部久蔵の一生の中で私が一番心を打たれた出来事は、彼が特攻隊に行く寸前のことだ。

彼の乗るはずだった零戦と他の搭乗員の零戦を交換したのだ。彼は自ら零戦を交換してくれと申し出た。搭乗員は、自分の零戦よりよいランクの零戦を手にしている熟練搭乗員の彼に言われたが、断固として拒否した。

しかし、彼が何度もたのみに来るため折れて、零戦を交換した。交換した零戦に乗り、二人は出撃した。出撃してまもなく搭乗員は、エンジントラブルのため不時着して、特攻隊として死なずにすんだ。そして、零戦から降りた搭乗員は、驚く物を目にした。それは、「もし、大石少尉がこの戦争を運良く生き残ったら、お願いがあります。私の家族が路頭に迷い、苦しんでいたなら、助けて欲しい」と書かれた紙だった。その後、宮部久蔵は特攻隊として亡くなったと知らされた。

なぜ、宮部久蔵は零戦を交換したのだろうか。それは、宮部久蔵が乗るはずの零戦にエンジントラブルがあることを知っていて、大石少尉と零戦を交換したのだ。この零戦に乗れば助かるかもしれないという蛛の糸を自ら選ばず大石少尉にたくしたのだ。私は、彼が本当の優しさと強さをかねそなえた真の心のもち主だと思う。

古村 真美(こむら まなみ) みなみ野中 1年生

(引用元:永遠の0を読んで|読書感想文コンクール 中学校の部

あれだけ生きて帰りたいと言っていた宮部が、最後の最後で別の人を生かすために死を覚悟した、彼の生きざまに学べることは何でしょうか。

彼らが残したかった日本の未来とは

宮部久蔵を含め、多数の死者を出した大東亜戦争。そこで、亡くなっていった方々が、本当に残したかった日本の未来とは何だったのでしょうか。現代を「生きる」とは、どんな意味を持つのでしょうか。死生観や日本の未来について、真剣に書いてみてもいいでしょう。読書感想文「永遠の0(百田尚樹)」|感想ライブラリーに掲載されていた感想文を一例としてご紹介します。

この時代にあっては不思議なというより、不気味な存在であったことだろう。それでも生き方を貫く中で、その人格に惹かれ、戦後まつのと娘の清子を助けた人達がいた。私は戦争をそこに参加をしていた人の心情からつづられている資料というものがあまりないのでその点で優れている著書と最初は思ったが、「生きる」ということに執着をするというのは実は現代を生きる我々の方が忘れていることのような気がする。

過去があるから現在がある。現在をどう生きるかで未来は変わる。私は子どもがいないが、日本を大きな家族と考えた時に若い世代、子供たちの世代が日本で一人ひとり活躍できるような社会にしていきたいと考えている。私という一人の人間が葛藤したその果てに、たった一人でも若者が悠々と自分自身の能力を発揮して、諦めずに生ききれたらそれが私の喜びだとも感じた。今私がいる場所で、私が会うこともないかもしれない若者や子供達が幸せに暮らしている未来を信じて今日も生きていく。

(30代女性)

(引用元:読書感想文「永遠の0(百田尚樹)」|感想ライブラリー

100年先の日本がどうなっているのか、自分の立場では何ができるのか、考えて書くと自分事として日本の未来を捉えられるでしょう。