『君たちはどう生きるか』読書感想文のためのあらすじ・書き方紹介 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

有名なエピソード

10の章のうちでも、4章の「貧しき友」は特に有名ではないでしょうか。浦川君が数日続けて学校を無断欠席します。心配になったコペル君は、小石川にある浦川君の自宅兼豆腐屋を訪ねます。

コペル君の予想に反して浦川君は元気でした。住み込みで働いている従業員が具合が悪く寝込んでしまっており、かつ父親が所用で数日留守にしているため、家業の人手が足りなかったのでした。忙しすぎて学校への連絡を忘れていたと浦川君の母親は言います。

浦川君がとても上手に油揚げを揚げるのを見て、コペル君は驚きます。浦川君が勉強も運動も苦手で、授業中に居眠りをよくしているのは、早朝から仕込みを手伝って学校に行き、夜も働いているからだということが分かります。

お父さんの用事とは、親戚にお金を借りに行っているということらしいと浦川君は言います。理由は分からないのですが、そのお金がどうしても必要だということを両親がこっそり話しているのを聞いてしまったのでした。

浦川君が休んでいる間の勉強を手伝い、ノートを貸す約束をしたコペル君は再び浦川君の家を訪れます。お礼代わりに豆腐を作る機械の運転をさせてもらい、楽しみます。帰宅してから、コペル君は「自分の家は裕福だけど、浦川君の家は貧しいんだ」という感想をおじさんに話します。

「おじさんのノート」

章の最後に記されている「おじさんのノート」は、その章でのコペル君のやったことや言ったことに対して、叔父さんが応答する形で書かれています。

4章の「貧しき友」の場合は、叔父さんは以下のようなことをコペル君に伝えます。

  • 貧しさは人を卑屈にする
  • 貧富の差で人をさげすまない生き方を続けてほしい
  • 浦川君の家よりも貧しい家庭は珍しくない
  • 貧困はなかなか解決できない大きな問題だ
  • コペル君は恵まれた環境にいるのだから、それを十分に生かして成長してほしい
  • 世の中のために役に立つ人になってくれ

「おじさんのノート」は毎回数ページにわたる上、教訓的な内容が多くなっています。物語部分はすらすら読めても、「おじさんのノート」でつまずく子供もいるかもしれません。「説教くさい」と感じることもあるかもしれませんが、「おじさんのノート」を含めた内容が著者の伝えたかったことです。納得できない部分も含めて、一度は読み通してみましょう。