子供が吐く原因は?受診の目安は?緊急医療についても事前に確認を

ついさっきまで元気に遊んでいたのに、急に顔色が悪くなって吐き始めた。子供を育てていると、このような経験をすることがあります。さらに、何回も吐いたり、熱があったりするとどんどん心配になってしまうものです。子供が吐いてしまうときはどのような原因があり、対処はどうすればいいのでしょうか。主に考えられる可能性について解説します。

子供が吐く原因、最も多いのは感染症

子供が吐くとき、大抵の場合原因は感染症です。

ウイルス性

子どもの吐く原因で最も多いのは、下痢を伴う病気の場合です。感染性胃腸炎がそれにあたりますが、胃に炎症が起き、その結果吐きます。腸に炎症が及べば、下痢という症状になります。

(引用元:白クマ先生の子ども診療所|日本医師会

子供が吐く原因で最も可能性が高いのは感染症です。感染症には大きく分けてウイルス性・細菌性の2種類があります。両方をまとめて「胃腸炎」と呼ぶことも多いようです。「お腹の風邪」と言われるような場合はほとんどがウイルス性の感染症です。

風邪だと思って受診して、抗生物質が出されるときもあれば出されないときもある、といった経験はないでしょうか。抗生物質はウイルスには効かないので、細菌性の感染症と判断されたときのみ処方されます。

胃腸炎の場合も、ウイルス性のときは特に薬などを処方するわけではなく、ウイルスを嘔吐や下痢で排出することを優先して治療が行われます。下痢が強い場合は整腸剤などを処方されることもあるようです。

特に症状が強いウイルスとして有名なのはノロウイルスやロタウイルスです。感染力が強いので、保育園などで流行しているときは気をつけていても感染してしまうことがあります。大人に感染することも多いため、吐しゃ物が付いた物の消毒や手洗いなどをしっかり行うようにしてください。

細菌性

細菌性の感染症はウイルス性と症状が似ています。比較的熱が高くなる傾向にあるようです。重症化しやすいことで有名なO-157なども細菌性の胃腸炎を起こす原因菌です。実際には原因となる細菌はとても多く、O-157などのような重い症状に至らないものも少なくありません。

ウイルス性・細菌性のどちらの場合も、下痢を伴うことがあります。嘔吐も下痢も体内の異物を排出しようとする体の働きなので、むやみに止めようとしないことが大切です。細菌性腸炎の場合は点滴などのほかに抗生物質を処方されることもあるようです。

参考
細菌性腸炎|徳島県医師会Webサイト

感染症以外で吐く原因

多くの原因がウイルス性とはいえ、ほかの可能性もあるので症状をしっかり観察することが大切です。

熱中症

お腹を痛がったり、熱があったりするわけではない嘔吐は感染症以外の原因が考えられます。気温が高い時期には熱中症も疑いましょう。熱中症では水分や電解質の補給が必要ですが、吐いてしまう場合は口から飲んでも吸収できません。病院で点滴を受けるなどの治療が必要です。

参考
熱中症が疑われる時の応急処置|大塚製薬

脳への刺激

脳にある「嘔吐中枢」が刺激されると、特にほかの原因がなくても吐いてしまうことがあります。有名なのは脳腫瘍などの脳の病気です。子供の場合脳腫瘍の発症率はかなり低いですが、可能性として念頭に置いておく必要はあるでしょう。

それ以外にも、遊んでいて頭を打ったときなどに吐いてしまうことがあるようです。このようなときは念のため脳神経外科などを受診するようにしましょう。

横隔膜への刺激

横隔膜への刺激が原因で吐いてしまうこともあります。喘息の発作やたくさん泣いたときなどに見られます。このようなときは、そもそもの原因(喘息や泣くこと)が治まれば吐き気もなくなります。吐き気よりもそもそもの原因の方へ対処するようにしましょう。

アセトン血性嘔吐症(自家中毒)

「アセトン血性嘔吐症」というと大仰な印象がしますが、「自家中毒」というと聞いたことがある人もいるかもしれません。原因はよく分かっていませんが、疲労やストレスなどで突然吐いてしまう症状です。繰り返し吐いてぐったりしてしまうこともあります。

症状から熱中症のように見えることもあります。尿検査でアセトン(ケトン体)が多く検出されると自家中毒と診断されますので、このようなときはまず受診するのがいいでしょう。

参考
こどもの病気について 自家中毒症(ケトン血性嘔吐症)について|徳田こどもクリニック