子育て費用総額シミュレーション
養育費
AIU保険会社によると、子供の出産から大学卒業までの22年間の養育費は、概算で約1,640万円に上ります。
基本的養育費
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約91万円 |
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約671万円 |
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約141万円 |
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約193万円 |
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約451万円 |
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約93万円 |
合計 | 約1,640万円 |
(子育て(教育)費負担問題と教育(修学)支援制度の整備・充実の課題|教育再生懇談会|首相官邸,P2より作成)
教育費
教育費は、公立か私立かによって費用負担が大きく異なります。
幼稚園
2016年の文部科学省の学習費調査によると、公立幼稚園は年間約23万円、私立幼稚園は年間約48万円かかります。私立幼稚園の場合、入園料が5~10万円くらい必要な上、制服、制帽、かばん、体操服、スモッグなどを買い揃える必要があります。すべて買い揃えると、5万円くらいはかかるでしょう。
学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
公立幼稚園 | 120,546 | 20,418 | 92,983 | 233,947 |
私立幼稚園 | 318,763 | 29,924 | 133,705 | 482,392 |
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表1より抜粋)
幼稚園の教育費は、幼児教育の無償化によって、大幅に節約できる可能性があります。公立か私立かに関わらず、2019年10月から、3~5歳児の認可幼稚園授業料と認可保育園保育料が無償となります。
無認可の幼稚園や保育園も、自治体が認めれば毎月25,700円まで無償になります。給食費、バス代、活動費など実費払いのものは無償とならないため、学校教育費がゼロとなるわけではありません。しかし、場合によっては3年間で最大90万円超の節約となります。
小学校
小学校で私立を選んだ場合、公立小学校の5倍近くの出費となります。私立小学校は授業料と入学金が高く、学校教育費が跳ね上がります。また、私立小学校へ子供を通わせている親ほど、学校外活動費にも出費を惜しまない傾向があります。ただし、私立小学校へ通っている生徒はわずかで、小学生全体の1.2%に過ぎません。
学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
公立小学校 | 60,043 | 44,441 | 217,826 | 322,310 |
私立小学校 | 870,408 | 44,807 | 613,022 | 1,528,237 |
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表1より抜粋)
学校外活動費には、塾などの「補助学習費」と習い事などの「その他の学校外活動費」があります。補助学習費は高学年になると増え、小学校5年を境に習い事の出費を上回ります。
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表5より作成)
中学校
子供を私立の中学に通わせた場合、公立に比べ3倍近くの出費となります。私立中学へ通う生徒は、中学生全体の7.2%です。
学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
公立中学校 | 133,640 | 43,730 | 301,184 | 478,554 |
私立中学校 | 997,435 | 8,566 | 320,932 | 1,326,933 |
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表1より抜粋)
学校外活動費は、公立と私立で合計金額に大差はありません。しかし、内訳には特徴があります。公立では、その他の学校外活動費が年次を重ねるごとに減少するのに対し、補助学習費は増大します。それに対し、私立中学では、補助学習費は年々増加するものの増加幅は小さく、その他の学校外活動費は年次を重ねるごとにかえって増加しています。
公立中学では、高校受験を控えて塾通いが増えるのに対し、中高一貫が多い私立中学では、受験を心配する必要がないため、習い事やクラブ活動などに打ち込む様子が見て取れます。
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表5より作成)
高校
高校になると、私立へ通った場合の出費は公立の倍程度となります。私立高校へ通う生徒は、高校生全体の30.3%に上ります。
学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
公立高校 | 275,911 | … | 174,871 | 450,862 |
私立高校 | 755,101 | … | 285,067 | 1,040,168 |
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表1より抜粋)
高校生になると、その他の学校外活動費は減り、補助学習費が増加します。公立・私立に関わらず、大学受験にかかる出費が増えます。
(平成28年度 子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省、表5より作成)
大学
大学の費用は、入学費用、在学費用、自宅外通学費用の3つに大別されます。
<入学費用>
入学費用とは、受験したすべての学校の受験費用、入学する大学への納付金、入学しなかった学校への納付金が含まれます。2018年の日本政策金融公庫の調査によると、大学への入学費用は国公立大学、私立大学文系、私立大学理系の平均で88.4万円でした。
(参照元:平成 30 年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫,P5)
<在学費用>
私立大学の在学費用は、文系で国立大学の約1.4倍、理系では約1.6倍となります。
(参照元:平成 30 年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫,P6)
<自宅外通学費用>
日本政策金融公庫の調査によると、自宅外通学者がいる世帯は28.3%に上りました。子供が自宅外通学を始めるとなると、アパートの敷金や家具購入などの初期費用と、月々の仕送りがかかります。初期費用は平均37.4万円、仕送り額は年間90.8万円(月額約7.5万円)でした。
参考
平成 30 年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫,P13-15
子供が生まれてから大学卒業までの子育て費用総額
上記の費用をまとめると、以下のようになります。
国公立 | 私立 | 自宅外通学 | |||
文系 | 理系 | ||||
養育費22年間 | 約1,640万円 | ||||
教育費 | 幼稚園3年間 | 約70万円 | 約145万円 | ||
小学校6年間 | 約193万円 | 約917万円 | |||
中学校3年間 | 約144万円 | 約398万円 | |||
高校3年間 | 約135万円 | 約312万円 | |||
大学4年間 | 約539万円 | 約731万円 | 約827万円 | 約401万円 |
子育て費用の総額は、公立私立の学校種別ごとに下記のようになります。大学で自宅外通学する場合は、下記の総額費用に加え、自宅外通学費用約401万円がかかります。
すべて公立 | 公→公→公→公→公 | 約2,721万円 |
幼稚園だけ私立 | 私→公→公→公→公 | 約2,796万円 |
大学だけ私立文系 | 公→公→公→公→私文 | 約2,913万円 |
大学だけ私立理系 | 公→公→公→公→私理 | 約3,009万円 |
高校だけ私立 | 公→公→公→私→公 | 約2,898万円 |
幼稚園と高校だけ私立 | 私→公→公→私→公 | 約2,973万円 |
幼稚園と大学だけ私立で文系 | 私→公→公→公→私文 | 約2,988万円 |
幼稚園と大学だけ私立で理系 | 私→公→公→公→私理 | 約3,084万円 |
幼稚園・高校・大学が私立で文系 | 私→公→公→私→私文 | 約3,165万円 |
幼稚園・高校・大学が私立で理系 | 私→公→公→私→私理 | 約3,261万円 |
幼稚園と中学・高校が私立 | 私→公→私→私→公 | 約3,227万円 |
小学校のみ公立で文系 | 私→公→私→私→私文 | 約3,419万円 |
小学校のみ公立で理系 | 私→公→私→私→私理 | 約3,515万円 |
大学だけ公立 | 私→私→私→私→公 | 約3,951万円 |
すべて私立で文系 | 私→私→私→私→私文 | 約4,143万円 |
すべて私立で理系 | 私→私→私→私→私理 | 約4,239万円 |