あやとびの練習方法とコツ
あやとびを改めて1から習得するというと、どのように練習させればいいのか頭をひねるかもしれません。なわとびはとべるかとべないか、0か1かで考えてしまいがちですが、実はもっと細かなステップで練習した方が上達しやすいと考えられています。
スモールステップで練習することでやる気を維持しよう
ちょっとずつ段階を踏んで練習を重ねることを「スモールステップ」と呼びます。例えば、単純な前とびも初めての子供にとっては難しいものです。「なわを回す」という腕の運動と「とぶ」という足の運動をバランス良く組み合わせる必要があるからです。
そのため、前とびに至るまでの動作を細かく分けて、それぞれを「技」として習得すると、子供は自分のペースでゆっくりとなわとびに慣れることができます。前とびであれば以下のように技を分けることができます。
前とびまでの技 | やり方 |
足抜き | なわを回し、足の前で止める。止めたなわを両足を揃えてとびこす。 |
フェイクプッシュアップ | なわを体の前に置いて持った状態で腕立て伏せのような体制から立ち上がり、なわを引き寄せてとびこす。 |
前とび | – |
参考
小学校体育科におけるなわとび運動の指導方法に関する研究 : なわとび運動系統表の作成と有効性の検証|三村大輔、境英俊|島根大学学術情報リポジトリ
同様に、あやとびもいきなりとばせてみるのではなく、スモールステップに分けて達成感とモチベーション維持を狙いましょう。子供によって上達のスピードはさまざまですので、焦らずに進めていきましょう。
まずは交差とびができるようにする
https://www.instagram.com/p/Bd11um1AwF9/
(出典:フォレスタネット|指導案・実践例共有サイト | Instagram)
一般的ななわとびカードでは、あやとびよりも交差とびの方が後に出てきます。しかし、あやとびがとべるようになりたいなら、先に交差とびを習得してしまいましょう。
あやとびは「前とび→交差とび」を交互に繰り返すとび方なので、交差とびを苦労せずにできるようになればスムーズに習得できます。
前とびをしながら腕が交差できるようにする
腕を交差する練習
(出典:交差とび練習法 その2:前とびの姿勢から交差の姿勢で縄を止める | YouTube)
交差とびで難しいのは、前とびから急に腕の形を変えなくてはいけないところです。まずはとばずになわとびを持って、腕を交差する練習から始めてみましょう。
上の動画のように、腕を回しながら交差させていき、体の前に腕が来るときには完全にクロスした状態にして止めます。あやとびや交差とびをやったことがない子供は、まずこの動作が不完全なはずです。なわが頭上を通り越したタイミングから無理なく交差を始めて体の前に来るように、まずは動画を繰り返し再生しながらコツをつかませてあげてください。
腕を交差させながら回せるようになったら、体の前で勢いよくなわを止め、つま先になわが引っかかるようにします。
腕を交差する角度が良くないと、なわが膝のあたりに当たったり、勢いがなくて足に引っかからなかったりするはずです。つま先でピシッと止められるようになるまで練習しましょう。
腕を交差して足抜きする練習
続いては、腕を交差した状態で「足抜き」をして、腕を交差させたままなわを回すという練習を繰り返します。両足を揃えての足抜きが難しい場合は、片足ずつなわを踏み越えるのでも大丈夫です。
(出典:交差とび練習法 その3:交差の姿勢から前とびの姿勢で縄を止める | YouTube)
これで前とび→交差と交差のまま腕を回すことができるようになりました。反対の動きとして、「交差のまま腕を回す→交差を戻して前とびの姿勢で足抜き」の練習もしてみましょう。これらがスムーズにできるようになるころには、とびながら腕を回すイメージがかなりつかめているはずです。
ここまででも、
- なわを回しながら交差する
- 交差したまま足抜きをする
- 交差したままなわを回す
- なわを回しながら交差から前とびに戻す
これだけの数の技ができるようになりました。スモールステップでの練習は達成感が重要です。1つの技ができるようになったら、子供をしっかり褒めてあげてください。
前とびをしながら腕が交差できるようにする
なわを回しながら交差する感覚がつかめたら、実際にとんでみましょう。まずは前とびから交差とびに入る練習です。交差とびに入れたら、そのまま続けて交差とびをとんでみましょう。
とばずになわを回すときはうまくいっているのに、とんでみると足が交差したなわに引っかかってしまうことがあります。このようなときは腕に力が入りすぎて、なわの位置が高くなっているかもしれません。フォームをしっかり見てあげてください。簡単に動画を撮って、YouTubeの動画と見比べてみると、子供にとっても改善点が分かりやすくなります。
交差とびから前とびに戻れるようにする
交差とびを連続してとべるようになったら、次は交差とびから前とびに戻る練習をします。腕がスムーズに回せていればすんなりと前とびに戻れますが、勢いが足りなかったり、腕を戻すタイミングがずれてしまったりすると足に引っかかります。
そのようなときはもう一度「交差のまま腕を回す→交差を戻して前とびの姿勢で足抜き」の練習もしてみてください。無理に進めるよりも一度しっかりできるところまで戻ってみた方が理解が早いこともあります。
前とび・交差とびを1回ごとに入れ替えられれば完成
ここまでにできるようになったことをチェックしてみましょう。
- 前とびの連続から交差とびに変える
- 交差とびの連続とびをする
- 交差とびから前とびに戻る
3つの技ができるようになりました。ここからあやとびができるようになるには、「前とび→交差とび→前とび」を1回ごとに交代してとべるようになればいいだけです。
まずは、「前とび3回→交差とび3回」など、子供がペースをつかみやすい回数で入れ替えてみましょう。それができるようになったら「前とび2回→交差とび2回」へ。続いて「前とび1回→交差とび1回」ができるようになれば、あやとびの完成です。