才能は遺伝だけでなく環境も重要
上記の結果を見ると遺伝が強いように感じますが、もちろん遺伝だけですべてが決まるわけではありません。上達するためには遺伝だけでなく、環境を整えてあげることが必要。「遺伝」に「環境」がプラスされることで、子供の才能は伸びていくものです。
素質を引き出すには「環境」が必要!
子供が本来もっている素質を引き出してあげるために、どれくらい環境が大切なのでしょうか。
たとえば遺伝があるから、計算式を教えれば、すぐに間違えずに計算ができるようになるわけではありません。何度も練習し、間違いを修正することで、段々と素早く正確に計算できるようになります。
音楽も同じです。たとえばピアノが上手な遺伝子を持っているからとはいえ、ほっておけばピアノが上達するわけではありません。まずはピアノに触れる機会を作り、ピアノに親しみを感じ、家で練習したり習うことも必要。ピアノの練習を続けるモチベーションを保つことも大切でしょう。
学力、スポーツ、芸術といった子供がもつ素質を引き出してあげるためには、親が「環境」を整えてあげることが必要です。それでは具体的にどのようなことをすると良いのか、見てみましょう。
親がしたい「環境」面でのサポート
ここでは子供の素質を伸ばすために、親がしたい環境面でのサポートをご消化します。
①多様な経験をさせる
遺伝子といっても、わが子がどんな遺伝子を持っていて、どのような才能があるかは、分からないものですよね。わが子が何に興味を持ち、何を得意とするかを探るためにも、子供のころから多様な経験をさせてみましょう。
まずは家庭内でできることからで構いません。一緒に料理をする、掃除をする、音楽を聴いたり楽器を弾く、家庭菜園をするなどしているうちに、子供の興味や得意とすること、逆に苦手なことも見えてくるでしょう。
外出や旅行で、さまざまな場所へ出かけてみるのでもいいでしょう。鉄道を見る、動物園や水族館、博物館美術館に行く、キャンプをするなどが考えられます。習い事を体験で試してみるのもいいかもしれません。
多様な経験をさせることで、子供の素質が見えてくるもの。いい刺激にもなりますので、いろいろと試してみましょう。
②子供の意思も尊重する
多様な経験にもつながることですが、注意したいのが「子供の意志を尊重する」ことです。
親は子供に期待を寄せるもの。ついつい「これができるはず」「これが好きなはず」という願望を押し付けてしまうものです。しかし親子とはいえ、子供はまた違った遺伝子を持っていますから、親が期待しすぎるのも困りものです。
親が期待を寄せてしまう特性を把握し、なるべくフラットな目線で子供を見守るようにしましょう。子供の表情や発言、意欲、実際に見ている様子を、じっくりと観察するようにしましょう。
③習慣をつける
勉強であれ、スポーツであれ、芸術であれ、上達するために必要なのが「習慣」です。実際に始めてみて、繰り返し、失敗したら創意工夫し、毎日続けるという「習慣」があってこそ、才能は伸びるでしょう。
習慣にするために必要なのが、モチベーションです。大人でも、モチベーションが続かなかった経験を持つ人も多いでしょう。子供もモチベーションを保ち、習慣化する必要があります。
そのためにも、親が関わる必要があります。勉強であれば、学校任せにするのではなく、授業の進捗を見たり、苦手な分野を克服するアドバイスをしてみたり、勉強の時間を決めたり、必要あれば塾に通わせる手段もあるでしょう。
自分を知り、わが子を知ろう
子供の遺伝を見極めるということは、同時進行で自分やパートナーの遺伝を考えることにもなります。自分やパートナーは何が得意で、好きで、逆に苦手なのか、自分を知ることが、子供を知ることにもつながるでしょう。
子供の遺伝について考えながら、自分の子供についても考えてみてください。
参考
週現スペシャル 大研究 遺伝するもの、しないもの【第1部】一覧表でまるわかり 遺伝する才能、しない才能、微妙なもの|現代ビジネス
「全ての能力が遺伝で決まる」残酷な世界で、凡人はどう生きるか|現代ビジネス
行動の遺伝学-ふたご研究のエビデンスから|日本生理人類学会誌
行動遺伝学者に聞く「遺伝」と「環境」はどれくらい影響する?【中編】|ベネッセ教育情報サイト
勉強ができる・できないは、遺伝や才能ではなく○○で決まる。|AERA dot.