まとめ/道徳教育を浸透させていじめ問題の解決を
道徳教育の改善する発端になったのは、いじめ問題です。直接的間接的ないじめが社会問題化する現代だからこそ、文部科学省が道徳教育を重要視したのです。
我が国の教育は,教育基本法第1条に示されているとおり「人格の完成を目指し, 平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国 民の育成を期して行われ」るものである。 人格の完成及び国民の育成の基盤となるものが道徳性
(引用元:小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編(P1 第1章 総説 1 改訂の経緯)|文部科学省)
つまり、人格を形成するための基盤となるのが道徳教育であると考えています。道徳的な考え方や善悪の判断、感謝の気持ちを持って人間関係を構築することを目的としています。その上で、次のような、子供自身にいじめへの対応力を育てようと考えています。
児童がこうした現実の困難な問題に主体的に対処することのできる実効性ある力を育成していく
(引用元:小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編|文部科学省)
いじめ問題は、いじめを行っている加害者、いじめを受けている被害者の間だけの問題ではありません。いじめが引き起こされた集団全員の問題なのです。
核家族化が進み、地域社会と関わりたがらない親が増えるとともに、子供たちも身近に起きている問題を他人事ととらえる傾向が強くなっています。また、SNSの発達により、目に見えないいじめも起こり得る状態にあります。
そうしたいじめの恐怖に立ち向かう手段として、社会全体の道徳心の底上げを目指すことになったのです。
教育とは学習の知識を詰め込むことだけではなく、人格形成に必要な道徳心を育てることも含まれており、家庭でのサポートが欠かせません。道徳科が特別教科化されるのはいい機会です。親子のコミュニケーションの中に道徳的な課題を取り入れて、子供と一緒に道徳性を養ってみてはいかがでしょうか。