「令和」の時代が2019年5月1日、ついにスタートを切りました。すでに新しい元号の名前を知っていたとはいえ、まだ、「令和」という元号に違和感を覚える方も多いでしょう。ところで、そもそもこの「令和」の由来や意味はご存じでしょうか。今回は「令和」の意味や由来をご紹介します。
もくじ
令和の由来は万葉集
「令和」は日本の古典である万葉集が由来となっています。日本最古の元号は「大化」で、「令和」は248番目の元号になります。これほど多くの元号がありながら、これまでの元号は中国の古典に由来するものだったそうです。つまり、新しい元号である「令和」が日本の古典を由来としたのは画期的で、歴史的にも大きな意味があることなのです。
万葉集ってそもそも何?
ここでは「令和」の由来となった万葉集の概要を簡単にご紹介します。
万葉集とは、日本最古の歌集です。万葉集には仁徳天皇時代から淳仁天皇時代まで実に約350年間の、約4500首もの和歌や漢文の詩などが収録されています。さらに、万葉集には天皇や貴族の詩だけではなく、農民や防人など一般人まで幅広い身分の詩が収録されていることが特徴です。また、万葉集の代表的な歌人としては、大伴家持、柿本人麻呂、額田王、山上憶良らがいます。とても有名な歌人ばかりですから、国語や歴史の教科書で目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
この万葉集が編さんされた時代には、もちろん、現在のように印刷技術は発達していません。本を出すためには紙に書き写す以外に手段がない当時の人々にとって、万葉集の編さんは大仕事であったことでしょう。また、万葉集には非常に長い期間の詩が収録されていることからも、たくさんの人が編さんに携わった可能性はありますが、最終的には大伴家持によって編集されたと考えられています。