「どうせ無理」と思っている君へ(植松 努)
「どうせ無理……」と言う子供を持つ親御さんに読んでほしい本があります。植松努さんの『「どうせ無理」と思っている君へ』です。
『「どうせ無理」と思っている君へ』に書かれている内容を要約して解説します。
植松努さんはどんな人?
植松努さんは北海道にある産業機器メーカー「植松電機」の代表取締役です。植松電機では主に、クレーンやパワーショベルに取り付けるマグネット(電磁石システム)を製造しています。リサイクル用機器では製作・販売の9割のシェアを獲得しています。
植松電機ではマグネットの製造とは別に、北海道大学と共同して宇宙ロケットの製造・開発も行っています。なぜ初めは町工場だった会社がロケット製造をしているのでしょうか? その秘密は植松努さんの生い立ちと思想にあります。
植松努さんの生い立ち
植松さんは祖父母の影響で、幼いころから飛行機やロケットなど空を飛ぶものが大好きでした。将来は宇宙関連の職に就くことを夢見ていたそうです。しかし、植松さんが中学生になったころ、当時の担任から「夢みたいなこと言ってないでテスト勉強しなさい」と言われてしまいます。
植松さんにとっての夢は「できないことをできるように追いかけること」でした。しかし、周りの大人は植松さんに「楽してたくさんお金がもらえる会社に入ることだ」と言います。
今でこそ、良い会社に入ることがすべてではないという主張をメディアでも聞くようになりましたが、当時は終身雇用の時代です。先生から「良い会社に入ることが夢」と言われてもおかしくはありませんでした。
「してもらう」より「してあげたい」
中学校の先生から「夢みたいなこと言ってないで」と言われた植松さんでしたが、どうしても良い会社に入ることと「夢」を結び付けられませんでした。良い会社に入っても「できないことができるようになる」のではなく、「誰かにしてもらえることが増えるだけ」だったからです。
「してもらう」より「してあげたい」
自分にできることを増やすのは、誰かにしてもらえることを増やすよりも大変です。しかし、だからこそ人生をかけてやる価値があるのかもしれません。
参考
「どうせ無理」は、ラクしたいから 宇宙へ挑む男が語る、自信の育て方・奪い方|ログミーBiz
必見!植松努さんのTEDスピーチ
植松さんのエピソードの全編を知りたい場合は、以下のTEDスピーチをご覧ください。親だけでなく多くのビジネスパーソンからも支持されている名スピーチです。
まとめ
「どうせ無理……できっこない……」そう言う子供に対して、親としてできることはたくさんあります。「どうせ無理……できっこない……」という言葉は単なる諦めの言葉ではなく、不安や迷いを理解して欲しいという気持ちの表れでもあります。
初めての挑戦で子供が不安いっぱいのときは、子供が自信や自己肯定感を持てるように、子供に安心感を与えたり、自分で決めさせたり、継続できるようにサポートしてあげましょう。
そうすることで、子供は少しずつ自分に自信が持てるようになり、自分の意思で自分の人生を歩めるようになります。