フレーベルの教育思想とは?幼稚園が生まれた理由についても解説

世界における幼児教育の父、フレーベルの教育法が興味深い!

幼児期の子どもを対象とした教育法として、『フレーベル教育』というものがあります。実はこのフレーベルは今や全世界にある幼稚園が生まれたもととなっています。

当記事では、幼児期の子どもを持つ親御さん向けに、幼児教育の父とも言われるフレーベルの教育思想についてや、おすすめのフレーベル教育について解説します。

フレーベル教育とは何か?


広い庭に花壇や遊具があり、室内には子供が自由に遊ぶためのさまざまな教育遊具。子供の個性を生かし情操豊かに育てるには環境が重要だと考えたフレーベルは、このような場に子供を集め、「キンダーガーデン」と名付けました。

その後、このフレーベルの考えたキンダーガーデンは幼児教育にふさわしい場として世界各地に広がり、日本においても幼稚園の基礎となって根付いたのです。

フレーベルの考えた理想の教育とは何だったのか、教育者や大人の役割とはどんなものか、幼児期の教育の大切さを世に伝えた彼の功績をみていきましょう。

フレーベルとはどんな人?

1782年、ドイツに生まれたフリードリッヒ・フレーベルは建築家を目指していましたが、途中、模範学校校長であるグルーナに出会い、23歳の時に教師になります。その後、教育の勉強のために訪れた先で教育者ペスタロッチの教育法に触れます。ペスタロッチから大きな影響を受けたフレーベルはそのまま彼のもとに留まり、教育法を学びながら子供についての研究を始めます。

1839年6月1日、フレーベルはブランケンブルクで「幼児教育指導者講習科」を創設します。これらの幼児教育指導者講習生に教育実習させるため、6歳以下の幼児を約40人集め、「遊びと作業の教育所」を付設しました。その後、遊びと作業の教育所は「幼稚園」へと改名され、世界で初めての幼稚園が誕生しました。

フレーベルの教育思想とは?

フレーベルは、子供は絶えず何かを生み出し創造する神聖なものとみて、大人がその創造の手助けをすることが大切だと考えました。子供は個性に従って自然に発達・成長させるべきとし、発達に必要なのは『遊び』であるという考えにたどり着いています。

人が理想的な成長をするにはこの幼児期における遊びが必要不可欠なものであるならば、当然、教育に携わる教師、親はその重要性を理解し、環境を整える必要があります。このような背景から、世界中に遊び場や遊具が揃った幼稚園が建てられるようになりました。

フレーベル教育の賜物とは

フレーベルは2年間の研究の結果、子供たちが自発的に遊び、学びを助けるための教育遊具として、20種類の「恩物」を作り出しました。シンプルな色と形の構成の中に、計算しつくされた学びの設計。子どもたちが実際に、握ったり、転がしたり、積み上げたりして、楽しみながら学んでいける教具です。

この「恩物」と名付けられた遊具のうち10種類は色のついた数学の幾何学的につながる形の玩具で、のちに「積み木」として多くの幼稚園や教育の場で使われることになります。残りの10種類は、手を使った工作方法で、「紙を折る」「砂遊び」「粘土遊び」「描く」などといったものがありました。

フレーベル教育の考え方


フレーベル教育には国や社会に役立つ人材を育成すること、個人の発達を助け健やかな人格を形成させること、の2つの目標が挙げられ、この2つを融合することを目指しています。そのため教育の場では「自分の個性を表現する力を獲得させ育てること」を具体的な目的とし、以下の3点に留意し実践されています。

自然の中でたくさん学ばせる

フレーベルは子供自身に自然を見出します。人間という大きな木に育ちゆく子供は心の内に種をもっていて、その種を育てる大切さに気が付いたのです。そして、幼児は人類にとって欠かすことのできない一員であるとし、その命に対し尊敬の念と愛をもって育てようと子供たちの庭「キンダーガーデン」を作りました。

子供は自然の中でさまざまな体験をし、多種多様な能力を伸ばしていきます。草花や虫に触れたり追いかけっこを経験したりすることで、子供は自然に対する知識やコミュニケーションの力を付けます。また水たまりに手を入れたり土でだんごを作ったりすることで、自然科学への興味を高めていきます。フレーベル教育の場では、そのような体験をより多く味わえるように、園庭には大きな木を植え、砂場や花壇がある自然豊かな環境を整えています。

先生の役割は成長を見守ること

フレーベル教育における教師の役割は、大人の考える理想へと子供を誘導するものではありません。子供の成長は自然に任せることで、自立心が芽生え主体性は育ちます。教師は子供の活動が妨げられないように見守るだけにし、迷った様子がみえても、新しい方法を提案する程度に留めます。

遊びを通して学ばせる

フレーベルは子供に対して性善説を説いており、子供は純粋な存在だとしています。ですから体の内から湧いてくる欲求や感情を、率直に表現させることをすすめています。このことは、将来自分の考えや思いを上手に伝えるようになるために必要な経験で、気持ちのコントロールにもつながってきます。自分の欲求を通すことは、自分という個人が認められているという安心感になります。反対に、感情のぶつけ方によっては集団を壊すきっかけにもなるということを学ぶからです。

日本におけるフレーベル教育の考え方

ほとんどの幼稚園では、カリキュラムにお絵かきや工作などが組み込まれ、リズム遊びやお遊戯も日常的におこなわれています。また季節の節目にはさまざまな行事が用意されるなど、フレーベルの教えがあちこちに息づいています。行事内容は七夕会、クリスマス会、餅つき大会、芋掘り会などが多く、体験を通して自発的に活動、学んでいけるような工夫がされています。

またフレーベル教育の実施園では庭への配慮が重要視され、果樹園や広い花壇を設置しているところもあります。

フレーベル教育による「遊び」


フレーベルは幼児教育に効果を生む、さまざまな教育理論を提唱してきました。幼児期の遊び道具として作られた20種類の恩物も子供の学びを育てるものとして今も多くの幼児教育の現場で使われています。その中の代表的な3つをご紹介します。

積み木(恩物)~創造と破壊を繰り返して学ぶ~

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恩物のなかには立方体・三角柱・直方体・円柱が入っており、それらを使った遊びは重視されています。幾何学的な形をもつ積み木を触ることで自然の中の数学を知り、積み木を組み合わせて遊ぶことで創造性を高めることができます。

フレーベル教育では、遊びを中断した場合はそのままにしておき、気が向いたときに続きの作業をするのがよいとされています。細切れになった遊びでも断続的に続けることで、集中する力がつくという理由からです。
大小さまざまな形のピースが100個入っています。良質な硬い木材で作られているため壊れにくく、長い期間、遊ぶことができます。全ピースが収まる木箱入りで、ピースを入れるときはパズルのようにして遊ぶことも可能です。

折り紙~自由な創造力を発揮させる~

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フレーベルは手先を使う工作として折り紙を取り入れており、主に幾何学的なものを教材としていました。

フレーベルが考えた折り紙のパターンを使った折り方が多数紹介されている本です。正方形や三角形をベースにした基本の折り方、さらにそれを応用し、つなげて立体物にしたり、雑貨を作ったりします。

歌遊び~感受性やリズム感を高める~

子供の感性やリズムを養うには、遊び歌がピッタリです。フレーベル教育では、子供が大人を真似ながら手足を動かし歌うことを楽しみます。
体を動かすことで運動器官の成長を促し、歌詞を口ずさむことによって言葉の発達も望めます。

昔から伝わる『おべんとうばこのうた』や『大きな栗の木の下で』も子供は喜んで歌うのでおすすめです。

子どもにおすすめの歌遊びについては下記の記事で詳しく解説しています。

動物が出てくるおすすめ手遊び!手遊びをするメリットとは!?

まとめ:子供の個性を尊重し、親は子供の成長を見守ろう

子供が遊びを通して学び成長するという考えのフレーベル教育。自然の中でのびのびと活動することで子供の自主性や感性が育つといわれています。子供を安全に育てたいと願う気持ちが先だって、親はつい過保護になってしまいがちです。ですが、人の成長に欠かせないのは自発的に行った経験ですので、少し離れたところから見守ることも大切でしょう。

参考
フレーベルの研究|大阪芸術大学

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cocoiro編集部

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