学生運動を描いた作品
学生運動は、日本の現代史の中でも大きな出来事でした。そのため、映画や小説、歌など、さまざまな形で描かれています。ここでは、代表的な作品をピックアップしてご紹介します。
映画
日本の夜と霧
松竹の大島渚監督が安保闘争と学生運動を描いた作品です。1960年に公開されるも、公開4日目で上映打ち切りになりました。安保闘争の運動で出会った学生を軸に、学生運動に参加した学生たちの人生や時代背景が描かれています。
鬼畜大宴会
熊切和嘉監督の大阪芸術大学の卒業制作フィルムです。ベルリン国際映画祭で招待上映されるなど、国際的にも評価を得ている作品です。1970年代初頭の連合赤軍で起きたリンチ殺人など、学生運動のうねりの中で学生組織が内部崩壊していく様子が描かれています。公開は1998年です。
実録・連合赤軍あさま山荘への道程
連合赤軍の起こしたあさま山荘事件までの道程を、連合赤軍の立場から描いた作品です。公開は2008年です。2002年に、あさま山荘事件を警察側の立場から描いた「突入せよ!あさま山荘事件」があります。
小説
光の雨
1998年に新潮社から刊行され、2001年には映画化もされています。連合赤軍が起こした事件を題材にして、当時を回想するようにしてストーリーが展開されていきます。
69 sixty nine
当時高校生だった自身が学生運動に参加していたことを踏まえて、自伝的に描かれた村上龍さんの長編小説です。2004年には、脚本宮藤官九郎さん、主演妻夫木聡さんで映画化されています。
その他
映画や小説以外にも、学生運動をテーマにしている音楽や漫画があります。音楽では、THE ALFEEの「シュプレヒコールに耳を塞いで」「ジェネレーション・ダイナマイト」や森田童子さんの「みんな夢でありました」などがあります。
漫画では、山本直樹さんの『レッド』(講談社・イブニング)やかわぐちかいじさんの『メドゥーサ』(小学館・ビッグコミック)などがあります。
また、学生運動の時代を描いたものとして、「父よ、あなたはえらかった~1969年のオヤジと僕」(JNN50周年記念スペシャルドラマ)があります。西田敏行さんや泉ピン子さんが主演です。
学生運動の関連用語
学生運動には、一般的には使われていない用語がいくつか登場します。ここでは、10個の用語をご紹介します。
学生運動用語 | 意味 |
アジる | 英語で動かす・扇動・興奮を意味する「Agitation」から派生しており、政治的主張を観衆の前で叫ぶこと。 |
オルグ | 英語で組織することを意味する「Organize」から派生しており、広報宣伝活動をすること。 |
全学連 | 1948年に結成された全日本学生自治会総連合の略称。 |
ブント | ドイツ語で連合・同盟を意味する「Bund」から派生しており、共産党主義者同盟を指す。 |
セクト | ラテン語で宗派を意味する「Secta」から派生しており、新左翼の党派を指す。 |
ゲバ棒 | ドイツ語で暴力を意味する「Gewalt」から派生しており、角材など棒状の武器を指す。 |
内ゲバ | 内部ゲバルトの略称で、党派内部での暴力行為のこと。 |
ノン・ポリ | 「NON-POLITICAL」の意味で、政治に興味がない人のことを指す。 |
ノン・セクト | 「NON-SECT」の意味で、新左翼のさまざまな分派に属さないことを指す。 |
革マル | 日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派の略称。 |
まとめ
学生運動は、時代背景もあり大きなうねりとなった出来事です。当時を生きた者でないと、時代の雰囲気を感じることはできませんが、事実を知ることはできます。学生運動を話題に、子供と一緒にいまの政治や大学について議論をしてみてはいかがでしょうか。
参考
学生運動|文部科学省
【視点】日本の学生運動に新時代か 政治とファッションが混合|NEWS JAPAN
60年、70年代の学生運動とは一体何だったのか?学生運動をテーマにした映画と合わせて解説|ciatr
学生運動とは?わかりやすく。安保闘争との関係も|大学受験の日本史を極めるブログ
日本の学生運動|ウィキペディア
60年代学生運動の変遷|ポップの世紀
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