「学生運動」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? ただ、学生運動とは何だったのかと問われると、1960~1970年代を学生として経験していなければ、正直分からないというのが本音のはず……。
そこで、今回の記事では、1960~1970年代に日本で行われた「学生運動」の時代的背景と大きな流れを分かりやすく解説します。
もくじ
1960年代の時代背景
そもそも、学生運動の始まりは中世のドイツに遡ります。学生が大学に対して学問の自由や学生生活の改善を求めるために抗議するものでした。それが、死者を出すほどの大きなうねりとなったのは、学生運動が単に大学に対しての抗議活動ではなくなったからです。その要因の1つには時代的な背景が考えられます。
学生運動が最も激しくなった1960年代は、第二次世界大戦が終結してから25年が経つころです。戦後と言えども、世界は米ソの冷戦下にありました。それを象徴するような出来事が1975年まで続いたベトナム戦争です。これは、資本主義陣営のアメリカ合衆国と共産主義陣営のソビエト社会主義共和国連邦の代理戦争です。
また、1960年には在日米軍の日本駐留を引き続き認める日米安全保障条約が結ばれています。1962年にはキューバ危機が起こり、翌年にはアメリカ合衆国のケネディ大統領が暗殺されています。1966年には毛沢東による中華人民共和国文化大革命が行われています。
このように、戦火を交えた争いはないものの、資本主義と共産主義で世界が大きく揺れていたことが分かります。