現代で知られている19世紀のバレエ音楽
18世紀以降、3大バレエが成立するまでの間に作られた、最初からバレエのために書かれた音楽を紹介していきます。
ベートーヴェン『プロメテウスの創造物』
(参照元: Beethoven – Prometheus, Ouvertüre – Orchestre de Chambre Pelléas – Benjamin Levy, conductor | YouTube)
『運命』などの交響曲で有名なベートーヴェンはバレエ音楽も書いています。19世紀の始まる1801年に完成した『プロメテウスの創造物』は序曲が最も有名ですが、現在でも全曲を聴くことができる作品です。また、最終曲のメロディーは交響曲第3番『英雄』にも使われています。
参考
『プロメテウスの創造物』全曲 ペトルー&アルモニア・アテネア : ベートーヴェン(1770-1827) | HMV&BOOKS online
アダン『ジゼル』
(参照元:英国ロイヤル・バレエ団「ジゼル」マリアネラ・ヌニェス | YouTube)
アダンという作曲家の作品は、現在ではこの『ジゼル』しか残っていないといっても過言ではありません。『ジゼル』は1841年に初演され、翌年にはロシアで上演されて人気を博しました。ピアノを習ったことのある人には馴染み深いブルグミュラーが一部の楽曲を手がけていることでも知られています。
チャイコフスキーの3大作品
『白鳥の湖』
(参照元:白鳥の湖-新国立劇場バレエ団3分でわかるバレエシリーズ | YouTube)
楽曲の概要は上記の動画を観ると把握できます。現在ではいくつかのメロディーを聴けば誰もが「ああ、あの曲か」と思い出すことができるほど有名な作品ですが、1877年の初演当時の評価はあまり良いものではなかったそうです。
ロシアではバレエが大変盛んに行われていましたが、音楽はあくまでダンスのためのもので、一定のパターンやリズムの中に収まったものが好まれていました。そのため、チャイコフスキーの非常に複雑で精緻な楽曲は、簡単に言うと当時のバレエには「難しすぎた」のです。
(参照元:(出典:Tchaikovsky: Swan Lake – The Kirov Ballet | YouTube))
全幕は上記の動画で楽しむことができます。チャイコフスキーの死後、1895年に行われた再演でようやく好評を博し、現在の位置付けに至っています。