太陽がまぶしい夏が近づいてくると、学校ではプールの授業が始まりますし、地域のプールもオープンしていきます。強い日差しが子供の肌に与える影響を考えると、日焼け対策は万全にしたいものです。ただ、日焼け止めを禁止しているプールや学校もあります。
そこで、今回の記事では、日焼け止めが禁止である理由と、禁止されているときの対処法をご紹介します。
もくじ
日焼け止めが禁止の理由
そもそも、どうして日焼け止めが禁止なのでしょうか? 紫外線が肌にダメージを与えていることはさまざまなところから指摘されており、一般的なこととして考えられています。まずは、運営者側の立場になって、日焼け止めのリスクを考えていきましょう。
水質が悪くなるから
学校や公営施設が日焼け止めを禁止する理由の多くは、プールの水質が悪くなるからというものです。プールの水質が悪くなることで、水の交換頻度やろ過装置の運転時間を長くする必要が発生します。
日本学校保健会が発行している「学校における水泳プールの保健衛生管理」には、プールの水質管理や設備管理、衛生管理の方法が細かく記されています。日焼け止めが水質に影響を及ぼすことはないとの指摘もありますが、学校現場では水質を保とうと神経をとがらせている可能性は考られます。
参考
ろ過機器が劣化する恐れがあるから
また、プールには水質を保つためにろ過機器が設置されています。ろ過機器には、フィルターや砂・セラミックが使われています。日焼け止めが水に溶け出して、ろ過機器への負担が大きくなる場合もあるようです。
家の浴槽を想像すると分かりやすいですが、人の身体からは汚れが出ています。プールは大きいのでその汚れが目立ちにくいですが、屋外にあるプールなら風で飛ばされてきた細かなほこりなどの汚れもあります。そのため、水に溶け出してしまう日焼け止めを使わないよう求められるようです。
水の入れ替えでコストがかかるから
水質の部分で触れましたが、水質が悪くなると、水を入れ替えないといけない場合もあります。普段使うライフラインの中で水道料金は、電気代やガス代に比べると安いイメージがありますが、学校や公営プールの水の量は一般家庭でお風呂に使われる水の量の4年分と言われています。
一般的な学校のプールの大きさを、縦25m×横12.5m×深さ1.25mとしても、一度水を張るのに約390立方メートルの水が必要です。東京23区の一般用の水道料金に換算すると、約29万円になります(水道料金404円/1立方メートル、下水料金345円/1立方メートル)。
また、一気に水を出すことで近隣の水道の出が悪くなったりする影響も出てきます。水の入れ替えは、費用と時間、近隣への影響があると言えるでしょう。
参考
手続き・料金|東京都水道局
意外と高額! 学校のプールにかかる水道料金|井戸ポンプ情報局