ネグレクトをする母親の特徴とは?ネグレクトの原因についても解説 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

母親をネグレクトに追いやる原因

ネグレクトは、母親以外にも、母親が子育てしにくい環境も原因として考えられます。子育てに必要な「資源」が整っていない環境では、子育ては非常なストレスをしいられ、虐待が起きやすくなります。

経済的な困窮

まず、子育てに必要なのは「経済的資源」です。経済的に困窮している家庭では、生活に関する選択の幅が極端に減ります。衣食住に事欠く「絶対的貧困」は生活保護で救済されますが、経験や体験の機会が乏しい「相対的貧困」は、子供の7人に1人が経験していると言われます。家族そろってのショッピングや旅行に行く機会や、塾に通う余裕がなく、両親が夜遅くまで不在で、親が帰るまで家に食べ物がないなどの家庭は多くあります。

母子家庭

「経済的資源」のみならず「時間的資源」も乏しいのが母子家庭です。シングルマザーの場合、母は大黒柱として働かねばならないため、子供と過ごす絶対的時間が足りなくなります。祖父母と同居していればある程度のサポートは受けられますが、同居していない場合は、身体的にも精神的にも疲労困憊してしまいます。そのような状況では、子供のことまで意識が回らないのは仕方のないことでしょう。

不健全な夫婦関係

依存傾向の強い母親と、意のままに相手を支配しようとする支配型のパートナーの場合、たとえパートナーが日常的に暴力を振るっても、互いに簡単に離れることはできません。夫婦間で支配服従の共依存関係が成立しているためです。このような家族に見られがちなのが、パートナーによる子供への虐待を母親が放置するパターンです。父親からは身体的、または性的ま虐待を受け、母親からはネグレクトされる「復合型虐待」に陥る可能性があります。

継父実母、または実父継母の組み合わせの場合、パートナーとの関係を優先し、子供をネグレクトすることもあります。1人になることへの恐怖心から過度にパートナーへ同調するのです。夫婦間に子供ができた場合は、連れ子に対するネグレクトが生じる可能性がさらに大きくなります。

知識不足と孤立無援

大都市で核家族の場合、子育てに関する知識が継承されず、知識不足のまま子育てすることになります。実家が遠い場合や、そもそも実の親から虐待を受けて育った場合、実家からのヘルプは期待できません。大都市で、子供ができるまでは仕事中心の生活を送っていた場合、近所付き合いも希薄でしょう。その上、夫に「男は仕事、女は家事育児」という固定観念があると、母親は孤立無援となります。密室で泣きわめく子供に来る日も来る日もたった1人で向き合うのはつらいものです。

身体・精神疾患

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、育児放棄をしたことのある母親のうち、約4割が「健康状態があまり良くない」と答え、約6割が「うつ傾向にある」と答えました。人間以外の霊長類の調査でも、母親の体調や栄養状態が危機的状況にあるときに育児を放棄する事例が確認されています。