テレビや新聞などで「学級崩壊」という言葉を聞いたことがある方は多いことでしょう。小学校で起こっているという話も多く聞かれますが、中学校や高校でも起こる可能性はあるようです。
この記事では学級崩壊とはどのような状態をさすのか、中学校や高校で学級崩壊はなぜ起きてしまうのか、また学級崩壊が起きた際に親ができることを解説していきます。
もくじ
学級崩壊とはどのような状態か?
文部科学省が2000年に発表した「いわゆる『学級崩壊』について ~『学級経営の充実に関する調査研究』(最終報告)の概要~」の中で、学級崩壊は「学級がうまく機能しない状況」と定義されています。学級がうまく機能しない状況とは、以下のような状態をさします。
子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず,授業が成立しないなど,集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し,学級担任による通常の方法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合
(引用元:いわゆる「学級崩壊」について ~『学級経営の充実に関する調査研究』(最終報告)の概要~|文部科学省)
では、具体的にいえば、どのようなことが起こっているのでしょうか。
授業中に歩き回る・遊ぶ・いない子がいる
学級崩壊の代表的な事例が、授業がうまく進まない状態になっていることです。例えば、授業中に席を立って歩き回ったり、遊んでしまう、私語が多い、欠席している子が当たり前のようにいる、などの事例です。
日経DUALが読者に行ったアンケートによると、「どんな状態が学級崩壊だと感じましたか」という質問に対して下記のような回答が多かったようです。
「授業中におしゃべりや立ち歩きが収まらない。勝手に外に出ていく子もいた」「児童が授業中に立ち歩き、授業にならない」
(引用元:立ち歩き、暴言暴力 小学校の学級崩壊はなぜ起こる|日経DUAL)
暴力が横行する
また学級崩壊しているクラスでは、子供による暴力行為が横行していることもあるようです。文部科学省の調査では、小中学校、高校における暴力行為の発生件数は6万3,325件で、校種別に見ると中学校・高校はピーク時よりは減少傾向にあるものの、前段階である小学校では2014〜17度にかけて右肩上がりで暴力の発生件数が増えています。
(引用元:平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省)
実際に日経DUALのアンケートの中でも、下のような回答がありました。
「日常的に暴言暴力が横行している」「毎日、授業中に小競り合いが発生し、口げんかになり、つかみ合いのけんかが始まる。ついに流血騒ぎになり救急車を呼ぶ羽目になった」「女子に暴力を振るう男子がいる」
(引用元:立ち歩き、暴言暴力 小学校の学級崩壊はなぜ起こる|日経DUAL)
教員の指導や注意を子供が聞かない
前述したような問題が起こっている際に、当然教員が指導や注意を行わなければなりません。しかし教員の指導や注意を子供たちが軽んじ、言うことを聞かず、コントロールが聞かない状態となってしまっているのです。窮地に追いやられる先生も多くいます。
また「先生がコントロールできない状況となった」「先生が休職した」と、先生側の困難をうかがわせる内容も目立ちました。
(引用元:立ち歩き、暴言暴力 小学校の学級崩壊はなぜ起こる|日経DUAL)
悪口を言う・否定的な言葉遣いが増える
学級崩壊をしているクラスでは、他人の悪口や否定的な言葉遣いをする子供が増えているようです。悪口の内容は学校への不満や担任への悪口、友人関係までにも及びます。「クラスが嫌だ」「先生はずるい」などの言葉が出てくるのであれば、クラスの状況が悪くなっている可能性があり、学級崩壊している恐れがあります。