学級崩壊はなぜ起こる?学級崩壊を防ぐために親ができること - cocoiro(ココイロ)

テレビや新聞などで「学級崩壊」という言葉を耳にしたことがある方もいることでしょう。子供を学校に通わせている親であれば、決して他人事ではないかもしれません。

この記事では学級崩壊とはどのような状態をさすのか、さらに学級崩壊はなぜ起こってしまうのかを説明します。また子供のクラスで学級崩壊を起こさないために、親ができることについて解説します。

学級崩壊とは

「学級崩壊」の言葉は耳にしたことがあるけれど、どのような状況を指している言葉であるのかまで、具体的には知らない人が多いのではないでしょうか。はじめに、学級崩壊はどのような状況をさすのかを解説します。

学級がうまく機能しない状況

文部科学省が2000年に発表している「いわゆる「学級崩壊」について ~『学級経営の充実に関する調査研究』(最終報告)の概要~」の中で、学級崩壊は「学級がうまく機能しない状況」と定義されています。

学級がうまく機能しない状況とは、以下のような状態を指します。

子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず,授業が成立しないなど,集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し,学級担任による通常の方法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合

(引用元:いわゆる「学級崩壊」について ~『学級経営の充実に関する調査研究』(最終報告)の概要~|文部科学省

「学級崩壊である」と判断するのは難しい

文部科学省は学級崩壊のことを「学級がうまく機能しない状況」と表現していますが、どの程度の状態に達していれば「学級がうまく機能しない状況」に当てはまっているのか、判断するのは非常に難しいものです。現在のところ、 下記のようなケースの場合「学級がうまく機能しない状況にある」としているようです。

1 就学前教育との連携・協力が不足している

2 特別な教育的配慮や支援を必要とする子どもがいる

3 必要な養育を家庭で受けていない子どもがいる

4 授業の内容と方法に不満を持つ子どもがいる

5 いじめなどの問題行動への適切な対応が遅れた

6 校長のリーダーシップや校内の連携・協力が確立していない

7 教師の学級経営が柔軟性を欠いている

8 学校と家庭などとの対話が不十分で信頼関係が築けず対応が遅れた

9 校内での研究や実践の成果が学校全体で生かされなかった

10 家庭のしつけや学校の対応に問題があった

参考

いわゆる「学級崩壊」について ~『学級経営の充実に関する調査研究』(最終報告)の概要~|文部科学省

ただし、これはあくまで国内の事例を集めて、それに対する対応などを検討した内容なので、「この基準を満たした場合は学級崩壊」などと「ライン」を定めた明確まガイドラインは文部科学省からは出されていません。現場の教員の判断によって学級崩壊であると判断されることもあるようです。

日本だけで起こる問題ではない?

実は学級崩壊は、日本だけで起こっている教育問題ではありません。

イギリスでは「授業を妨害する生徒(disruptive pupils)」と呼ばれる教育問題があります。これは日本の「学級崩壊」と似たような問題として扱われています。2003年にはBBCで下記のような報道がされたそうです。

ある調査では,対象となった教師の3分の1が5年以内に辞職することを予定していたが,その最大の理由が「授業を妨害する生徒」の増加というものであった。

(引用元:社会性 世界の子ども・教育 北欧|新興出版社啓林館

上記の問題を受けてイギリスの教育技能省は2005年に、学校における規律の確立などのため、現職の校長や教師で構成する専門家委員会を設置しています。