生後7ヶ月~1歳すぎ
睡眠のパターンと夜泣きの特徴
1日の睡眠時間は11~13時間になります。昼寝は午前に約30分間、午後に約2時間の2回程度になります。明るい時間は活動し、暗くなったら寝るという生活リズムも定着してくるでしょう。その一方で、夜中に何度も目を覚まし、夜泣きが本格化します。今までおっぱいですぐに寝ついていた赤ちゃんも、この時期になるとなかなか寝つくことができず、激しく泣くことがあります。赤ちゃんの夜泣きの原因は解明されていませんが、夜泣きにつながる要因はいくつか挙げられます。
夜泣きの原因と対策
- 昼間に受けた刺激を脳が処理しきれない
新生児の脳は、大人の脳の約3分の1の大きさです。生後、脳は急成長し、3歳で大人の脳の80%にまで発達します。脳は、赤ちゃんが昼間に受けたさまざまな情報を、寝ている間に消化することで発達します。「寝る子は育つ」との言葉にあるように、赤ちゃんは寝ている間に脳を育てているのです。この時期の赤ちゃんは、お座りからハイハイをし、つかまり立ちを始めるなど、成長の変化の激しい時期です。急激に行動範囲が広がり、ときには大量な情報を脳が処理しきれないため、赤ちゃんが夜泣きするのではないかと言われています。昼間の刺激が強すぎて赤ちゃんが興奮していると感じたら、赤ちゃんを抱っこして安心させてあげましょう。
- 乳歯が生え始めてむずがゆい
乳歯は、生後3~9ヶ月ごろに生え始めます。乳歯の生え始めはむずむずしたり、痛かったりし、赤ちゃんにとっては初めて経験する不快感。ぐずぐず泣きながら、しきりに手を口に入れる、または何でも口に入れてカミカミするようであれば、歯ぐずりの可能性があります。赤ちゃんがかむために安全に設計された歯がためをあげましょう。歯茎がマッサージされ、乳歯の成長やあごの発達を促します。
- おっぱいに依存している
おっぱいで寝かしつけをしている場合、赤ちゃんが、おっぱいがないと寝つけなくなることがあります。そのため、夜中に目を覚ますたびにおっぱいをほしがり、泣きます。お母さんがそれでもしっかり休息を取れていればかまいませんが、寝不足に悩まされているのであれば、夜間断乳を試してみるのもいいでしょう。おっぱい依存の夜泣きの場合、初めの数日こそ激しく泣きますが、すぐに長時間まとまって寝られるようになります。赤ちゃん自身も起きるたびにおっぱいを飲まなくていいので、しっかりと休めるようになります。赤ちゃんの離乳食が順調に進んでいれば、夜間授乳をしなくても栄養不足になることはありません。その分朝にしっかりとお腹がすくので、離乳食をよく食べるようになります。
- 身体の調子が悪い
1歳近くになると、出生時にお母さんから受け継いだ免疫が切れ、病気にかかりやすくなります。赤ちゃんが初めて熱を出すのもこのころです。また、赤ちゃんの消化器官は未熟なため、離乳食がうまく消化できていないこともあります。赤ちゃんがいつもよりぐずるようなら、体の調子が悪いのかもしれません。
1歳半~2歳前後
睡眠のパターンと夜泣きの特徴
1日の睡眠時間は11~14時間で、お昼寝は午後1回のみになります。夜中はまとまって眠るようになり、一晩ぐっすり眠れる子もいます。夜中に起きる場合も、起きる回数は1、2回に減ります。夜泣きは1歳半くらいまでに収まることが多いですが、中には1歳半以降で再び夜泣きが始まる子供もいます。
夜泣きの原因と対策
- 精神的不安
次の子の誕生、母親の就職など、環境の変化に不安を感じ、夜泣きをする子供がいます。起きている間のスキンシップを増やし、泣いたら優しく抱っこし、子守歌を歌うなどして、気分を落ち着かせましょう。
- 寝言泣き
赤ちゃんは夢を見て泣くことがあります。また、レム睡眠の間に昼間のことを脳が思い出し、泣くこともあります。この場合の夜泣きは寝言です。赤ちゃんが何かを要求しているわけではありません。しばらく放置しておくと再び寝つくようであれば、寝言泣きの可能性が大きいと言えるでしょう。
- 睡眠障害
赤ちゃんが悲鳴のように激しく泣き叫ぶ場合は、「夜驚症」の可能性があります。夜驚症とは、睡眠中に突然起き始め、恐怖の表情を示し叫び声をあげるもので、子供によくある睡眠障害です。これらの症状が続いて心配な場合は、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。
夜泣きは成長とともになくなる
赤ちゃんの夜泣きで、お母さんが眠れないことはとても辛いことです。しかし、赤ちゃんの夜泣きは一時的なもので、成長とともに必ずなくなります。下の図は、冒頭の睡眠経過図から、一般的に夜泣きの最も激しい生後9ヶ月と、1歳半、2歳の睡眠パターンを抜粋したものです。
(参照元:赤ちゃんはどうして夜泣きするの?|すくコムNHKエデュケーショナル)
この図を見て分かるように、生後9ヶ月の赤ちゃんは、夜8時から朝8時までの間に9回起きています。起きるたびに泣いているわけではありませんが、頻繁に起きている分、誰かの世話を必要とする機会も多くなります。ところが、1歳半になると夜間起きているのは4回、2歳では2回と次第に減少しています。レム睡眠の後でも覚醒することなく、深い眠りに戻っていくようになります。