どうして?シーズンオフでもプールに水が入っている理由
シーズンオフに青いビニールシートで覆われることの多い学校プール。シートの下には水が入っているのですが、どうしてかご存じでしょうか? ここでは、その理由を解説します。
プールの劣化を防ぐ
プールの水を抜くことで想定されるのが、塗装のはがれ、コンクリートのひび割れ、紫外線による劣化などです。そのため、水を入れておくことがプール保全になると考えられているのです。
しかし、冬場に水道が凍結するような地域ではこの限りではありません。プールに水を入れておくと氷結でプールが損傷する恐れがあります。その場合は、プールを空にするか、シーズンオフでも継続的に一定量の水を注入するなどの対策が必要です。
消防用水として提供
プールは消防法で、消防用水を兼ねると定められています。消防用水とは、火災時における消火活動などに用いられる水源のことです。このこともあり、学校のプールは消防車がすぐ近くまで近づけるように作ってあり、採水口が設けられています。
防災時などの生活用水に
プールの水は防災時に生活用水として役立ちます。東北文化学園大学の岡田誠之名誉教授は以下のような見解を示しています。
- 小学校の屋外プールの一例(25m×8m×1.25m)は水量205㎥
- 1日1人あたり1Lの水を使用すると仮定した場合、20万人に提供できる計算になる
- 一例ではあるが、シーズンオフ時の水質検査では飲料水には不適
東日本大震災では、プール水を水処理せず、トイレの手洗いに利用していた学校もありました。プールには膨大な量の水を確保できる貴重な水源ということが分かるでしょう。
参考
災害時における水確保と排水対策 | 空気調和・衛生工学会,P14-15
まとめ
株式会社ダスキンが行った「2.教員からみた学校掃除に関する実態調査(2011年), P4」によると、学校プールを生徒以外が清掃している割合は、小学校が38.9%、中学校が25.7%ということが分かりました。掃除の知識は子供が今後生きていく上で必ず役に立ちます。みんなで使うプールを清掃することは、子供にとっていい経験になるでしょう。
学校プールの清掃を生徒が行わない学校の場合は、ぜひ今回の記事の内容を話してあげてください。自分たちが使うプールがどのように掃除されているかを知ることは、とても大切です。
参考
メンテナンス編|公益社団法人 日本プールアメニティ協会
衛生管理マニュアル プール開き前に|学校プール.com
学校プールの掲示板(2014/07/10)|学校プール.com
プール管理 Q&A|SANKYO
プールにいつもいます。|港区立赤羽小学校
【学校用】プール納め時期に必須-使い終わった備品の安全点検チェックリスト|SEFT
プールの水を張っておくのは何のため?|くまリオのススメ!