学校プールのそのほかの掃除方法
調べてみると、学校によってさまざまなプール清掃の方法があることが分かりました。このほかの掃除方法を3つご紹介します。
EM菌を使って清掃する
通称・EM菌とは、Effective Microorganisms(効果的な微生物)の頭文字を取ったもので、EM研究の第一人者である比嘉照夫教授による造語・商標です。乳酸菌や酵母菌などの数十種類の有用な微生物を培養して活動できるようにしたもので、善玉菌の密度を高めることで悪玉菌を抑えられるとされています。環境を汚染することなく安全に掃除ができるとして、プール掃除に用いる学校があるほか、導入を推奨している自治体もあります。
一方、EM菌についてはその効果に疑問の声もあるよう。使用をめぐっては賛否があります。
参考
学校プール清掃にEM菌が活躍!|見附市
EM菌|疑似科学とされるものの科学性評定サイト
プール清掃|I Love EM
署名活動「小中学校におけるEMの利用を止めてほしい」の報告|山形大学理学部物質生命化学科 天羽研究室
プールの清掃ロボットが行う
プール専用の清掃ロボットを使用している学校もあります。プールに沈めて電源を入れるだけで、ぬめりや髪の毛などの汚れを取り除きます。メリットは衛生的にプールが使えること、定期的に掃除することで汚れの蓄積を防げることなどがありますが、購入費用が高額というデメリットがあります。
清掃の専門業者が行う
学校プールの掃除は時間も人手もかかるものです。働き方改革を推進している横浜市では、市内の多くの小学校で学校プール清掃の専門業者への委託がありました。先生の負担を減らし教職に集中することができ、現場の先生たちからは喜びの声が上がっています。横浜市以外の学校でも専門業者への清掃は行われています。
参考
Topic2 アウトソースしてみました!”プール掃除”|教職員の働き方改革プロジェクト
働き方改革です。専門家に委託!|横浜市立伊勢山小学校
プール掃除を行う時の注意点
水場であるプールには危険がつきもの。それは清掃時も同じです。ここでは、プール清掃を行う時に気をつけなければならないポイントをまとめました。
足場が滑りやすい
塩素系洗剤と酸性洗剤が合わさると有毒なガスが発生することは知られています。掃除の時は複数の洗剤を混ぜて使わないのが基本です。洗剤などの薬品の管理は大人が行うため過剰に反応することはありませんが、子供に注意してほしいのが、足場が滑りやすいということ。掃除で使用している洗剤や水が常時足元にある状態なので、慎重な行動を心がけましょう。
体調が優れないときは控える
長期間使用していないプールは、当然ですが衛生的ではありません。鳥の糞や虫の死骸などが混入していることもありますし、塩素の殺菌効果はすでに消失しています。
『学校における水泳プールの保健衛生管理』によると、体調が悪い場合や、ケガをして傷がある子供は、プール掃除の時に配慮が必要と明記されています。体調が優れないときには無理に掃除に参加せず、控えた方がいいかもしれません。