気温が上がってくると、子供たちの大好きな水泳学習が始まります。教室で座って受ける授業より、学校のプールが楽しみで登校するという子供もいるかもしれません。
プール開きを前に清掃をする学校は多いですが、親として気になるのがその清掃方法ではないでしょうか。今回は学校のプールの清掃方法を調べました。
学校プール掃除の事前準備
まずは学校プールの掃除に必要な物を確認しましょう。
プール掃除に必要な物
一般的にプール掃除に必要な物は以下です。
- デッキブラシ
- ドライワイパー
- ごみ取り網
- スポンジや雑巾
- 洗剤(中性洗剤、アルカリ性洗剤など)
プールの掃除には中性洗剤、プールサイドの掃除にはアルカリ性洗剤が多く使われています。洗剤はプールの材質に合ったものを選びます。研磨剤入りの洗剤はプールを傷つける恐れがあるため、あまり使われません。市販の中性洗剤でももちろん清掃は可能ですが、プール専用の洗剤も多く存在しています。そのほか、高圧洗浄機を使用する学校もあるようです。
掃除の前にあらかじめ塩素剤を投入するケースも
プールの壁面や底部分などに藻が大量発生した場合は、事前に塩素剤を投入して除去することもあります。公益財団法人 日本学校保健会の「学校における水泳プールの保健衛生管理 平成28年度改訂」では、以下の手順が紹介されています。
①プール清掃の3~4日前に、残留塩素濃度が2~3mg/L程度になるように塩素剤を投入
②循環ろ過装置を稼働(塩素消毒装置は未運転)
③残留塩素濃度が0.4mg/L以下に下がったら、循環ろ過装置を停止
④水深10cmくらいになるように排水
⑤必要に応じて脱塩素剤を使用し、塩素を消す
参考
学校における水泳プールの保健衛生管理 平成28年度改訂|公益財団法人 日本学校保健会,Q3 : 長期間休止していたプールの使用再開時の清掃方法を教えてください ,p62
学校プールの基本的な掃除方法
それでは、学校プールはどのような手順で掃除されているのか見ていきましょう。
①プールは上部から洗う
プールはスタート台や手すり、側面の溝など上から順番に洗います。ナイロンブラシやスポンジ、必要に応じてタワシを使い、表面のゴミや水垢(あか)などを洗い流します。
②プール排水後はすぐに清掃
汚れは乾燥すると落ちにくくなるため、プールの排水後はすぐに内部の清掃をします。プールの底部分は水を流しながら、もしくは水を少しためた状態で行います。壁面、底部分ともデッキブラシを使い、落ち葉や泥がある場合はゴムのブレードがついた水切りなどで取り除きます。
落ちにくい汚れは、中性洗剤を使ってナイロンブラシやスポンジで念入りにこすりますが、汚れが取り切れない場合は、洗浄剤の希釈液を使います。ジョウロに希釈液を入れ、汚れ部分に直接散布しながらブラッシングします。
③汚れを取り除いたら、水で洗い流す
清掃が終わったら水で洗い流します。このとき、洗剤が残らないよう注意しながら、しっかり洗い流していきます。