これから臨海学校は増える?減る?
大正時代からの長い歴史を持つ臨海学校ですが、現在ではピークが過ぎ、廃止をする学校も増えて生きているそうです。家庭の金銭的な負担や教員の時間の確保などさまざまな問題があると指摘されていますが、これから臨海学校を実施する学校は減っていくのでしょうか。
文科省は臨海学校含む校外学習を促進
文科省は体験学習・校外学習を促進することを明確にしています。これは臨海学校などの宿泊学習だけでなく、職業体験や工場見学、自然観察など学校の外で行う学習体験のすべてが含まれています。
また、教員の負担を軽減するために、NPOなどに委託する形での校外学習を「総合的な学習の時間」として認めるという方針も打ち出しています。そのため、今後は教員が引率しない宿泊学習といったスタイルも増えてくるかもしれません。
参考
校外での「総合学習」推進 文科省、夏休みや週末に | 日本経済新聞
事故防止のため消極的な学校も
一方、校外学習での事故は定期的に発生しています。臨海学校では、2008年に岡山県で子供の死亡事故、2018年には兵庫県で教員が重症になる事故が発生しています。
そのほか、日帰りの校外学習や修学旅行でも死亡事故が発生しています。学校よりも子供たちの行動範囲が広くなる校外学習は、引率者の目が届かない死角が発生してしまう可能性も高まります。また、近年の夏は猛暑傾向が続いているため、熱中症のリスクも高まっています。こういった課題に対応できないという理由で、校外学習に消極的な学校が増えてきているそうです。
参考
岡山・遠泳女児死亡:学校法人などに3500万円賠償命令 | 毎日新聞
教え子助けようと教諭重体 淡路島で智弁学園中 | 日本経済新聞
小学校の熱中症事故はどうしたら防げたか — 勝沼 悠 | アゴラ
修学旅行の重大事故 安全確保の難しさ ーー新学習指導要領でリスクが高くなる?(内田良) – 個人 | Yahoo!ニュース
まとめ
普段の学校生活や家族との旅行とも違った体験ができる臨海学校。クラスの雰囲気が良くなったり、親から見ても子供が頼もしく感じられるようになったりと、成長の機会としても期待できる宿泊学習ですが、年々実施するのが難しくなる傾向にもあります。
今年の夏、子供が臨海学校に出かけるのであれば、このような機会はこの先あまりないかもしれません。十分に楽しんで、良い経験ができるように送り出してあげてください。
参考
小学校における安全な臨海学舎の実践研究(VI)-臨海学校参加児童の学びを構成する指標- | 蔵書検索 – 大阪教育大学附属図書館