学資保険は、資金を貯め、増やすための保険です。増えた分の保険金が利益として課税されるのかどうか気になる人もいるでしょう。保険金の課税は、受取人が誰なのか、いくら受け取るのかによっても変化します。本記事では、学資保険が課税され得る場合と、節税の方法について解説します。
もくじ
親が給付金を受け取るときにかかる税金
まずは、親などの契約者本人が、満期になって給付される保険金を受け取る場合を考えます。学資保険の受け取りでは、このパターンが一般的だと考えられます。
増えた分のお金が「一時所得」になる
一時所得は最大で50万円控除される
契約者本人が給付金を受け取る場合、増えた分のお金は「一時所得」として課税対象になります。気をつけたいのは、受け取った給付金の全額ではなく、学資保険に入って金額が「増えた分だけ」課税対象になるということです。つまり、返戻率(へんれいりつ)が110%の保険だった場合は、増えた10%分の金額のみが課税対象となります。
一時所得は、年間で最大50万円控除されます。受け取った給付金のうち、増えた分が50万円だった場合で、かつその年に他の一時所得が存在しなければ、控除額の50万円と相殺され課税される一時所得はなくなります。
学資保険「だけ」で所得税課税されることは少ない!
多くの学資保険では返戻率が高くても110%ほどとなっています。返戻率110%の学資保険で、利益分が50万円を超えるのは、受け取り給付金総額が550万円以上であり、かつ一括で給付金を受け取った場合です。
500万円以上の給付金を受け取るのは、学資保険の額としては非常に高い契約となるでしょう。このくらいの契約をしていない限り、給付金が一時所得として課税対象になることは少ないということが分かります。なお、繰り返しになりますが学資保険の給付金以外で一時所得がある人は、合計50万円が控除の最大額となりますので注意してください。
参考
No.1903 サラリーマンに生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合 所得税|国税庁
一時所得を受け取った場合の確定申告 | 確定申告の基礎知識
学資年金は「雑所得」になる
給与所得者は20万円以下なら確定申告しなくてOK
給付金を「学資年金」として受け取っている人もいるでしょう。これは、満期に全額を受け取るのではなく、大学入学時、2・3・4年次などと数年に分割して学資を受け取る種類の契約です。このような契約の場合は、保険の満期になる子供の年齢を21、22歳としていることがほとんどです。
このような学資年金の場合、受け取った給付金のうち、増えた分が「雑所得」となります。雑所得は一時所得と違い、より収益性の高い収入とみなされます。投資の運用益などが当てはまります。
雑所得の年間での控除額は最大で20万円です。それ以上になった場合は確定申告が必要となります。雑所得の場合も、受け取った給付金全額ではなく増えた分のみが課税対象となりますので、支払総額と受取総額の差を確認しておきましょう。
参考
要注意!学資保険にかかる税金|学資保険の基礎知識|きちんと倶楽部 - 保険の管理/診断/相談/見直しをネットで身近に、便利に
アフラックの夢みるこどもの学資保険 特長:教育資金を準備|保険・生命保険はアフラック
自営業者は学資年金を避けたほうがベター
雑所得の控除額は年間で20万円までと、そこまで大きくありません。他に収入源がない給与所得者の場合は問題ない場合が多いですが、自営業者や副業を持つ人は雑所得が学資保険以外でも発生する可能性があります。受け取り方としては、念のため学資年金を避けたほうが無難でしょう。