スイミングスクールの「選手コース」とは?特徴と疑問をまとめて紹介 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

気になる「選手コース」の疑問

選手コースに所属すると生活にどのような変化があるのでしょうか。1日のスイム量、練習量、生活スタイルの変化などの気になるポイントを、選手コース経験者の体験談やスイミングスクールが発表している練習時間などから推察していきます。

練習時間はどれくらい?

週4~6日は練習

選手コースの練習は、週に4~6日ほどを設定しているところが多いようです。一般コースは週1~2日の練習ですから倍以上! これは、かなり多く感じるのではないでしょうか。

また、一般コースの1日のレッスン時間は40~60分が標準ですが、選手コースは約2時間! もちろんスイミングスクールによって異なりますが、一般コースよりもスイム時間が長くなる傾向にあります。

1日に泳ぐ練習量は3,000m以上!?

また、選手コースは一般コースに比べて1日に泳ぐ量が多く、泳力が必要になります。

以下は、選手コースに所属していたインストラクターの経験談です。

小学生がスイミングスクールの育成・選手コースで1日に泳ぐ練習量は、

  • 選手コース→3000m〜7000m、朝練を含めると10000m前後
  • 育成コース→1500m前後

(引用元:【スイミングスクール練習量】小学生の選手・育成コースの泳ぐ距離とは|スイスイ坊や

『やってみよう!水泳 (小学生レッツ・スポーツシリーズ)』によると、年齢別の練習回数・量の目安は以下となっています。

【5~8歳】

練習回数 週3~5回
練習量 1回1,500~3,000m/週7,000~8,000m

【9~10歳】

練習回数 週4~6回
練習量 1回3,000~4,500m/週18,000~22,000m

【11~12歳】

練習回数 週6~8回
練習量 1回4,000~6,000m/週32,000~38,000m

【13~14歳】

練習回数 週7~10回
練習量 1回5,000~7,000/週35,000~50,000m

レッスン開始時間が遅い

スイミングスクールでは、レッスン時間を以下のように設定しているところが多いようです。

幼児コース 14~16時
小・中学生コース 16~18時
選手コース 18~20時

選手コースは一般コース終了後からレッスンが始まるので、練習がかなり遅い時刻から開始となります。このため、生活スタイルが今までと大きく変わります。以下が選手コース所属の小学生のおおよその一日の流れです。これはインターネット上に掲載されていた経験者の体験談をまとめたものになりますので、あくまで参考としてください。

【一般コースの例/週1~2回】

16時~17時 下校・スイミングスクールに移動
17時~18時 一般コースレッスン~帰宅
18時30分~ 夕食・入浴・自由時間

【選手コースの例/週4~6回】

16時~ 下校・自由時間
~17時30分 宿題・軽めの夕食
~17時45分 スイミングスクールに移動
18時~20時 選手コースレッスン~帰宅
20時30分~ 夕食、入浴、自由時間

スクールによっては朝練や夕錬がある

スクールによっては、土曜日や日曜日に朝練、夕錬を実施しているところがあります。

萩野公介選手が通ったみゆきがはらスイミングスクールでは、土曜日の10~12時を選手コースの練習時間と設定しています。

また、休日や長期休暇に大会や記録会のほか、スクールによっては合宿が行われることもあるようです。

勉強との両立は可能?

選手コースに所属すると、多くの時間を水泳に使うことになります。勉強に割く時間が必然的に少なくなりますが、時間は使い方次第。工夫と集中力で両立は可能とされています。

以下はリオ五輪競泳で金、銀、銅メダルを獲得した日本競泳界のエース・萩野公介選手のケースです。

幼稚園の時に“選手育成コース”に入らないか、と勧められた。だが、選手コースは毎日通わなければならず、他の遊びや稽古は出来ない。母が公介に問うと、即座に「やりたい」と告げた。母が述懐する。

「この時に、私の時間はすべてこの子に与えようと決めました」

以来10年以上、母は毎日往復4時間かけてプールまで送り迎えを続け、遠路帰宅した父は息子の水着の洗濯係を務めた。それが萩野家の日常風景。水泳と勉強に集中できる環境を与えられた息子は、学校の成績も常にトップクラスだった。

(引用元:横並びの子育てをしない強さ 萩野公介選手|ベネッセ 教育情報サイト

親の負担は増えるの?

以下の理由により、一般コースに比べると、親の負担は大きくなると考えられます。

  • レッスン時間が遅くなるので送迎バスが利用できず、子供の送迎が必要
  • 練習で体力を使うので、日々の食事にサポートが必要
  • 練習時間に合わせて食事時間や生活スタイルの変更が必要