気になるけれど、意外と聞きにくい子供の習い事事情。ケイコとマナブ.netが行ったママ900人に聞いた子どもの習い事ランキング 2017年によると、実際に子供が習っている習い事の1位は水泳でした。就学状況別にみても、未就学児・小学校低学年高学年のすべてで1位、習わせたいランキングも2位と圧倒的な人気。スイミングスクールで水泳を習っている子供は、お友達の中にいるという人も多いのではないでしょうか。今回は、水泳・スイミングの効果と、スクールに通うメリットについて調べました。
子供のスイミング、どんな効果があるの?
まずは、子供がスイミングから得られる効果について、どのようなものがあるか見ていきましょう。
全身の筋力をバランス良く鍛えられる
肩まで水中に入った場合、人間の体重は陸上時と比較すると約1/10まで軽くなります。そのため、水中で歩いたり、ジャンプしたりしても、体への衝撃が少なく抑えられ、関節や骨に負担をかけません。スイミングは利き手や利き足に関係なく、両手足を同じように動かすので、全身の筋肉をバランス良く使います。体への負担が少なく全身を鍛えられるというのは、成長期の子供にとって最大のメリットと言えるでしょう。
また、水中では浮力の影響でアンバランスになりがち。それを防ごうと自然と体が動かすことで、バランス感覚も養われます。
風邪を引きにくい丈夫な体に!
プールの水温は体温より低いのが一般的。プールに入ると短時間で体温が奪われますが、一方の体は、体温を維持しようとたくさんのエネルギーを消費します。この働きが体の防衛本能を向上させると考えられているようです。
水泳は全身運動です。基本的な体力がつくことに加えて、水温の刺激があります。皮膚や免疫力を鍛えて、自律神経の働きを高めたりすることで、風邪を引きにくい丈夫な体になると言えそうです。
心肺機能が向上!ぜんそくの改善にも
プールの中では水圧を受けながら呼吸をすることになります。これにより、呼吸器や血液循環が活発に。陸上運動よりも効率よく肺が鍛えられ、心肺機能を向上させることができます。
「水泳はぜんそくの治療に良い」とはよく聞きますが、発作の軽減や心肺機能の改善につながるとしている医師も少なくありません。医学博士の飯島勝一先生は、以下のように述べています。
キレイなフォームで泳ぐことは、正しく筋肉を使い、バランスよく身体を発達させることにつながります。一方で、水泳は心肺機能を強化するという一面もあり、特にお子様のぜん息にはたいへんよい運動療法であることが知られています。現在ぜん息に悩まされているお子様はぜひ、水泳を試してみてください。長期間続ければ、必ず効果が得られると思います。
(引用元:スイミングの効果|セントラルスポーツ・キッズ)
水の危険から身を守れるようになる
海や川、プールなど、水の危険を避けることはできません。どんなに気をつけていても、水難事故や災害に巻き込まれる可能性は誰にでもあります。そんな緊急時に役立つのが、「水に慣れておくこと」、「水に浮ける」こと。この2つが身に付いていると、いざという時に役立つでしょう。水の危険性をあらかじめ知っていることで、パニックになるのを防げます。泳げるようになると、より助かる確率が上がるでしょう。
精神面が鍛えられる
スイミングは段階を踏んで身に付きます。いきなり泳げるという人はおらず、誰もが練習を重ねることで泳げるようになるため、忍耐力や精神力が鍛えられます。そのままでいると溺れてしまうので、溺れないために水圧や浮力に慣れ、全身をうまく使わなければなりません。スイミングを始めたばかりの頃は特に集中力が養われるでしょう。
スイミングは何歳から始めたらいい?
何事も始める時のタイミングの見極めは、とても難しいものです。子供のスイミングとなると、「水に恐怖心を抱かないか」「身に付くか」など、心配事もあるでしょう。何歳から始めるのが良いのか調べてみました。
出来るだけ早いうちに始めるのがおすすめ
スキャモンの発育発達曲線(下記参照)によると、神経系の機能は誕生から5歳頃までに大人の約80%、12歳でほぼ100%発達します。この幼児・児童期は、神経系の発達がめざましく、神経回路が形成される重要な時期。この頃に、さまざまな動きを経験し、身に付けることはとても大切です。このことから、子供の頃に泳ぎを覚えると一生忘れることがないとも言われています。リスクマネジメントの面から考えても、早い段階で泳ぎを覚えておくと良いでしょう。
(参照元:1発育・発達について(PDF),P6|JISS国立スポーツ科学センター)
子供が意欲を持っているかを目安にしても
出来るだけ早いうちに始めるのがおすすめではありますが、何よりも大切なのは子供のやる気です。子供が興味を持てずにいるうちは、無理に始めることはありません。
水遊びが好きだったり、スイミングに通っている友達がいたりと、子供がスイミングに興味を持つきっかけはそれぞれです。スイミングのメリットとデメリットを易しく伝えて、「やりたい」という気持ちを持った時が、その子の始めるベストタイミングです。まずは体験や短期講習を受けてみると良いでしょう。