不登校の5つの原因タイプとは?不登校児の現状についても解説 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

不登校児が増加している原因は?

なぜ不登校がこれほど増加してきたのでしょうか? その要因として、社会や学校・子供の変化を指摘する声があります。

社会が不登校に寛容になってきたため説

不登校に対する社会的理解が進んできたため、子供も親も「学校へ行かないこと」を選択しやすくなった可能性があります。不登校の子供を受け入れる学校以外の施設が増えた上、不登校経験者が社会で活躍する姿を目にする機会も増えました。

2016年には、学校が子供の不登校問題を解決しきれていない現状を踏まえ、「教育機会確保法」が定められました。この法律により、「学校を休んでもよい」ことと「学校以外の場の重要性」を国が追認しました。

教室内ストレスが増加している

文部科学省の調査によると、いじめの認知件数は2017年度に41万件を超え、過去最悪となりました。統計方法が過去と異なるため単純比較はできないものの、子供が人間関係でよりストレスを感じるようになっていることは確かです。学校生活においても、細々としたことまで規則で決められていて、学校が子供にとって「居心地の良い」場所ではなくなっている可能性があります。

(参照元:平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(その1)|文部科学省、P25)

我慢できない子供が増えてきている

文部科学省の調査によると、小学校での暴力行為発生件数が急増しています。少子化が進み、家庭で子供の要求が常に満たされているため、学校で嫌なことが起きたときに我慢できない子供が増えているのではないかと考えられています。

(参照元:平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(その1)|文部科学省、P8)

まとめ

子供の不登校は、本人の性格や家庭環境、学校の対応、社会の重圧などの複数の要因がマイナスに働いた場合、誰にでも起こり得る問題です。したがって、「こういうタイプの子供は不登校になりやすい」「こういう育て方をすると不登校になる」という紋切り型の判断は当てはまりません。また、学校へ行くことだけが、社会へ出るため必要な能力をつける唯一の方法ではありません。学校へ行くか、行かないかにかかわらず、すべての子供が学び成長できる社会にしたいものです。

参考
平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(その1)|文部科学省
平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(その2)|文部科学省
別添3 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(平成28年法律第105号)|文部科学省
不登校傾向にある子どもの実態調査|日本財団
「教育機会確保法 不登校対策は」(くらし☆解説)|NHK
いじめ認知、最多41万件 小中高校17年度28%増 文科省調査|日本経済新聞
論文『無気力の原因と指導』立正大学教授・心理臨床センター長 松原達哉
不登校とは(不登校の定義とタイプわけ) |四日市市立教育センター・視聴覚センター
不登校が過去最多、5年連続増加の原因とは ~現場関係者から背景を紐解く~|Yahooニュース
子ども減っても不登校は過去最多「教室内ストレス」に親ができること|AERA.dot

この記事をかいた人

Sachiko

海外在住20余年、子育て・教育ライター。明治大学政治経済学部卒業。中国へ2年間留学。中国北京の日系広告会社で営業マネージャー。 結婚・出産後、北京で専業主婦。夫の転勤に同伴したフィジーで、アジアの女性のためのソーシャルグループ代表を務め、文化交流イベントを企画運営。2018年より、インド・デリー在住。ライターとして活動を始める。中国語HSK6級。TOEIC945点。中国生まれ、フィジー育ち、デリーで思春期を迎えた1人息子の母。 中国時代から共に過ごす老犬の介護中。