運動が苦手でもできる新しい競技「ゆるスポーツ」
大人になると、なかなか日常的に運動をしないもの。先にご紹介したアンケートでは、日ごろの運動不足を嘆く声も見られましたが、そんな人でも楽しく取り組める新しいスポーツが「ゆるスポーツ」。参加する人の運動経験を問わないこのスポーツ、親子競技にも適しているのではないでしょうか。
「ゆるスポーツ」とは?
「ゆるスポーツ」とは、年齢や性別、運動神経に関わらず、誰でも楽しめる新しいスポーツです。2016年に設立された一般社団法人世界ゆるスポーツ協会が、その開発や普及に努めています。
高齢者でも障害を持つ人でも、足が遅かったり運動能力が高くなかったりしても、そのことが支障にならない競技となっているのが特徴。また、勝っても負けてもどちらでも楽しめることがポイントです。
親子競技でチャレンジしてみたいゆるスポーツ
ゆるスポーツ協会が提唱している競技はさまざまありますが、そこから運動会の親子競技に取り入れることのできそうな競技を4種、ピックアップしてみました。
シーソー玉入れ
シーソー玉入れは、籠がシーソーのようにぐらぐらと傾く玉入れです。玉を入れすぎると籠がひっくり返って、中身はゼロになります。自チームが攻撃の時はなるべく多く玉が残るように、相手チームが終了時に籠の中身がゼロになるように、それぞれ狙って玉を入れます。
【ルール】
- 1チーム2~5人、2チームに分かれて試合を行う。
- 1回の攻撃時間は30秒。それぞれのチームが攻撃側と守備側でひとつのカゴに向かって玉を入れる。
- 攻撃時間終了時にカゴの中に入っている玉の数が、攻撃チームのポイント。
- 1回攻撃をすると攻守交代。これを3回繰り返し、残った玉の数の合計ポイントを競う。
【開発の背景】
シーソー玉入れは、難病患者の人たちにもスポーツを楽しんでもらい、さらにスポーツを通じて一般の人たちにも病気のことを知ってもらうという思いのもと、生まれました。開発には、多発性硬化症の患者と医師が協力。多発性硬化症は、中枢神経が傷つくことでさまざまな障害が生じる、原因不明の難病です。
スポーツかるた
スポーツかるたはかるたと運動を組み合わせた競技で、子供から大人まで、運動の苦手な人でも誰でも楽しむことができるスポーツです。札には「胸に当て新聞」「新聞ダッシュだ」「落ちたらアウト」など、新聞を使って体を動かすお題が書かれています。
【ルール】
- 2人、またはチーム対抗。かるたを読む審判1人と、新聞紙も必要。
- 審判がかるたを読み上げたら、その札を取りに行く。
- 取った人は、書かれているお題にチャレンジ。成功すれば札をゲット、失敗したら審判が没収。
- 最終的により多くの札を持っていた方の勝利。
【開発の背景】
広島にある中国新聞社の企画「からだうごかす大作戦」と、世界ゆるスポーツ協会のコラボレーションで誕生しました。体を楽しく動かしながら、筋力やバランス感覚、柔軟性を試す運動、有酸素運動など、基礎体力のアップを図り、健康になることが狙いです。
フライングエッグ
2人で協力して、目玉焼きのパスとキャッチで得点を競う競技です。
【ルール】
- 2人1組、ラケット(フライパン)を持って、向き合う。
- ラケットの上に目玉焼きをセットし、ラケットから相手のラケットへ目玉焼きをパス。
- 相手が上手くキャッチできたら、1回成功。パスを3回成功させたら、目玉焼きをお皿の上に。
- 上手くお皿にのったら1点。
※パスの時は「1」「2」「3」「焼けた!」のかけ声をわすれずに。
※目玉焼きが地面に落ちたら「3秒ルール」。急いで拾ってフーフーを。
※お皿の上で目玉焼きが裏返ってしまったら、0点。
※ふたごの目玉焼きは、ボーナスポイント2点。
【開発の背景】
ブラジル発祥のビーチスポーツ、味方同士でラリーを楽しむ「フレスコボール」がオリジナル。そのラケットをフライパンに、ボールを目玉焼きに見立て、誰でも気軽に楽しめるようアレンジしたものです。
参考
フライングエッグ|世界ゆるスポーツ協会
一般社団法人日本フレスコボール協会
100cm走
100cm(1m)をいかに遅く走るかを競う、超・短距離走です。スピードよりも、集中力と体幹バランスが勝負の要。ルールの徹底と判定が厳しく、審判役の能力が問われますが、速く走ることが第一とされがちな運動会で、遅さを競うのも意味のあることなのではないでしょうか。
- 競技は、2~10名で行う。
- ランナーは常にゴールを目指して、片足を上げた状態で動いていなければならない。その際、上げる足は地面に付いている足よりも前に出すこと。
- スタートの際は、スタートラインを踏んでつま先を合わせ、合図とともに片足を上げて開始する。
- 着地したつま先がゴールラインを越えた時点でゴールとなる。
- 上げた片足を下ろす際は、地面に付けている足のつま先にかかとを付けるように着地する。
- フリージング(停止)、トリッピング(転倒)、ハンドリング(トラックに手をついてしまう)、ノットストレート(まっすぐに足を出していない)、ダブルフット(足の入れ替え以外で両足をつく)、ムービングバック(後ろに足を振る)などは反則とみなされ、「1ブロックフォワード(一つ前のブロックへ移動)」となる。
- ペナルティの際は、再度両足をそろえてのスタート。すみやかにスタートしないと、「1モア・ブロックフォワード」となる。
まとめ
親子競技におすすめの競技をいくつかご紹介しました。コミュニケーションとふれあいがメインで低学年でも楽しめそうな競技から、生涯スポーツにもつながり高学年の好奇心にも応えそうな競技まで、様々なバリエーションが見えたのではないでしょうか。
「中学生からは親子競技なんてなくなるし、高校は親は見に行かないし、子どもと関われるうちがいいときですね」(千葉県 40代女性)
(引用元:子どものためなら筋肉痛もなんのその!? 運動会の保護者競技に出る親の声【パパママの本音調査】 Vol.278|ウーマンエキサイト)
こういった実感もあります。子供と競技に取り組むのは、年に一度のことです。ぜひ積極的に楽しんでみてください。
参考
運動会(小学校)の親子競技や障害走で人気の競技は?|Hoplus
子どものためなら筋肉痛もなんのその!? 運動会の保護者競技に出る親の声【パパママの本音調査】 Vol.278|ウーマンエキサイト
運動会でパパの面目躍如!?オススメの親子競技3選|教えて!goo
運動会.com
世界ゆるスポーツ協会