七夕といえば、願い事を書いた短冊を笹に吊るす風習を思い浮かべる方が多いでしょう。一方で、お子さんに「なぜ七夕に願い事をするの?」と聞かれたとき、その理由についてスムーズに答えられる方は少ないかもしれません。今回は、そんな方のために、七夕で願い事をする理由や短冊の色の意味、書き方のコツなどについてご紹介します。
もくじ
七夕で願い事をする理由は?
まずは、七夕に願い事を書く理由や由来について、歴史を振り返りながら解説していきます。
七夕の起源
七夕の起源を遡ると、東アジア地域に広く伝わる「七夕伝説」に行き着きます。ご存知の通り、天の川を隔てた織姫と彦星(牽牛、けんぎゅう)が年に1度だけ会うことを許される恋物語です。
この物語の歴史は古く、古代中国の「古詩十九首」にその記述が見られることから、2千年、あるいはそれ以上前から存在すると考えられています。
貴族の間で行われた七夕
七夕伝説に登場する織姫にあやかり、手芸、機織りなどの上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」と呼ばれる中国の行事が奈良時代の日本に伝わりました。乞巧奠は日本において宮廷行事化され、当時の貴族たちは詩歌や裁縫の上達を願って梶の葉に和歌をしたためて、まつったと言われています。
この乞巧奠と日本古来の棚機津女(たなばたつめ)の信仰とが結びつき、七夕は室町時代以降、民間にも広がっていきました。
江戸時代の七夕
江戸時代には、七夕が庶民の間で盛んに行われるようになりました。五色の短冊に願い事を書き、笹の葉に吊るすようになったのもこのころからです。
七夕が寺子屋を中心に広がっていったこともあり、当時の人々は習字や習い事の上達を願い、短冊に記したといいます。
現代の七夕
現代では、全国的に盛んに七夕行事が行われています。仙台七夕まつり、湘南ひらつか七夕まつり、安城七夕まつりなど、各地で大規模なお祭りとして七夕を行う地域もあります。
7月7日が近づくと、駅や商業施設に用意された笹に多くの短冊が吊るされている様子を見かけることも珍しくありません。保育園・幼稚園の七夕行事に合わせて、お子さんと一緒に願い事を書いた経験のある方もいることでしょう。