子供の記憶力を伸ばす方法
最後に子供の記憶力を伸ばす方法を3つご紹介します。子供の成績に差が出始める小学校高学年くらい時期には、子供をついつい不安視してしまう親御さんも少なくありません。しかし、意味記憶からエピソード記憶に置き換えることに注力すれば、簡単に子供の記憶力を伸ばしてあげることができるはずです。
身近にある物につなげさせる
身近にある物につなげさせることが、子供の記憶力を伸ばす1つ目の方法です。歴史の問題集などに出てくる語呂合わせは、子供に難しい内容を身近にある物につなげさせる代表例といえるでしょう。
また、漢字の読み書きなどについては、すでに習得している漢字から派生させることが効果的です。辛いと幸せという字は形が似通っていますが、一というすでに知っている文字を付け加えるだけ、という解説をしてあげるだけで間違えることが少なくなるはずです。
会話を通じて考えさせる
会話を通じて考えさせることも、子供の記憶力を伸ばすための効果的な方法です。子供が分からない問題に出会ったときは、子供と会話をする絶好の機会です。「今どんなところが分からないの?」と聞いてあげるだけで、子供は自分の状況を話し始めます。
そして、自分が悩んでいるポイントを話すことは自分自身を客観視することにつながり、その体験自体をエピソード記憶として保存することができます。そのため、ロジックが成立していなくても、その場で正解に至らなくてもひたすら聞き役に徹することが、子供の記憶力を伸ばすために親がしてあげられることといえるでしょう。
子供の努力を誉める
子供の記憶力を伸ばす3つ目の方法は子供の努力を褒めることです。特になかなか子供との時間を過ごせないような家庭では一緒に会話をしながら学習を進めることができないため、意味記憶を定着させるための反復作業が子供の記憶力に比例します。
しかし、残念ながら1人で問題集に取り組み続けられるモチベーションを持ち合わせている子供は、そう多くありません。そして、そのモチベーションとなるのが親に褒められるという経験なのです。
まとめ
子供の記憶力を伸ばしてあげたいと願う親御さんは、第一に意味記憶とエピソード記憶という2つの記憶があることを理解することが大切です。この2つの種類の記憶があることを理解できさえすれば、子供の記憶力を伸ばすという作業ははさほど難しいものではなくなります。日常的な学習に主体的な経験をできるだけ多く盛り込む工夫をするだけで、飛躍的に子供の記憶力は向上していくはずです。
参考
記憶の分類|三上章允|中部学院大学
記憶力がいい子は「3つの技術」を使っている | ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?|東洋経済オンライン
子どもの記憶力がアップする正しい褒め方|“日本一の記憶力”池田義博が教える 仕事ができる人の記憶術|ダイヤモンド・オンライン
意味記憶とエピソード記憶の違いと具体例|人間の記憶のモデル|言葉の意味を知るならMayonez