PTAへの参加は必須?
ご紹介したようなPTAの活動に取り組むためには、定期的に集まって話し合ったり、準備をしたりする時間を取らなくてはいけません。時間がなかなか確保できない場合は、「できれば今はPTAの活動への参加を控えたい……」と思う人もいるでしょう。PTAへの参加は必須なのでしょうか?
PTAへは「任意参加」でOK
多くの学校に設置されているPTAですが、「申し込んだ覚えはないけれど、いつの間にか加入していることになっていた!」という人もいるかもしれません。しかし、PTAへの加入そのものは「任意」であることをご存知でしょうか?
憲法学者で首都大学東京憲法学専攻の木村草太教授はインタビューの中で、PTAへの加入が「強制」であるかを問われ、以下のように回答しています。
PTA の場合、「子どもが学校に入るなら、かならずこのPTAに入らなければいけない」というような法律はないので、強制加入団体ではありません。
(引用元:どこからがアウト? 法律からみたPTA――憲法学者・木村草太さんに聞く|SYNODOS
したがって、本来は加入を望まない場合は辞退できると考えることができるでしょう。しかし学校によっては「加入して当然」という風習がある可能性もあります。できるのであれば、上級生の保護者に相談してみたり、加入する場合でも事情を説明して負担の軽い仕事をお手伝いさせてもらうよう、相談をしてみるといいでしょう。
委員になるべき?PTAとの上手な付き合い方とは
子供の教育のために存在していると分かってはいても、なかなかPTAの活動に参加する時間がとれない、気持ちがあまり向かない、という保護者の方もいるかもしれません。親として、PTAとはどのように付き合っていけばいいのでしょうか?
(1)悩んだら相談すること
PTAの活動が始まったとしても、家庭や仕事がなくなるわけではありません。思うように両立できず、1人で悩みを抱えてしまうという人もいるでしょう。
そんな場合は一緒に役員を担当している人に事情を説明して、一緒に打開策を考えてもらいましょう。PTAは組織として子供の教育に貢献することを目的としています。組織全体で課題の解決に取り組んでいくためにも、孤独に悩まずに周りを頼ることを意識してみましょう。
(2)できない場合ははっきり伝えること
家庭の事情や仕事の状況などによっては、どうしても任されているPTAの仕事が遂行できない、ということは誰にでも起こりうる事態です。もしもできないことを任されているようであれば、正直にできないことをPTAの仲間に伝えましょう。
できないのに無理をして体を壊してしまったり、PTAの活動に影響が出てしまったりしては取り返しのつかないことになります。「断ることで迷惑をかけてしまうのでは」と恐れてしまうかもしれません。しかし引き受けることで起こるリスクもあります。できない場合ははっきりと伝えることを意識しましょう。
(3)子供の前でPTAの愚痴を言わないこと
PTAの活動に取り組んでいると、どうしてもうまく行かないことや、不満に思うことが出てきてしまうかもしれません。しかしPTAに関する愚痴を子供の前でこぼすのは控えましょう。
たとえば愚痴の内容に、子供の友達の親の話が含まれているとします。愚痴を聞いた子供は冗談半分で、「お母さんが●●ちゃんのお母さんの悪口を言っていた」などと学校で話してしまうかもしれません。相手を悪く言うつもりがなかったとしても、思わぬ形で本人に話が届き、関係がギクシャクしてしまうかもしれないのです。
またPTAに関する愚痴を聞くと、子供に「PTAとは親を困らせる組織だ」という認識を持たせてしまう可能性もあります。せっかくの教育のために活動を進めているPTAに対して、子供がマイナスのイメージを持ってしまう可能性があるのです。できるだけ子供の前ではPTAに関するネガティブな話をすることは控えましょう。
おわりに
PTAは学校と地域や保護者が協力して、教育に関わっていくための組織です。せっかく関わるのであれば、自分にしかできないことや、こうしたらいいのでは? という意見を積極的に取り入れるなどの活動をしてみてもいいでしょう。
組織の構成や仕事の内容を理解した上で、「自分にはどんな役割であれば担うことができるかな?」などと、参加の方法を考えてみてはいかがでしょうか。
参考
どうする?PTA|朝日新聞DIGITAL
PTAが忌み嫌われる「3大原因」はこれだ!|東洋経済ONLINE
どこからがアウト? 法律からみたPTA――憲法学者・木村草太さんに聞く|SYNODOS
PTAとは?今さら聞けないPTAの基礎知識|AllAbout