「明日は行くから、今日だけ休ませて」と言ったのに、翌朝になるとやはり布団をかぶって出てこない……。学校復帰を願う親の気持ちとは正反対の子供の行動に、親は怒り、焦り、悲しみ、疲れ果ててしまいます。そんなとき、子供のためにも自分のためにも、まずは自分のケアをしっかりし、そのうえで子供との関係を見直していくことが大切です。親が心がけるべきことを考えていきましょう。
もくじ
不登校の子供を持つ親の心構え
子供の不登校はあなたのせいではない
子供が不登校になると、母親は「私の育て方が間違ってたのかも」と思ってしまいがちです。しかし、子供の不登校はあなたのせいではありません。どの子供にでもあり得る問題なのです。
子供の不登校の原因はなかなか特定しにくいものです。なぜなら、勉強もクラブ活動も一生懸命頑張ることが美徳とされる学校生活で、子供が心身の疲れを少しずつため込んだ結果であることが多いからです。したがって、今まで学校生活に特に問題がなかったにもかかわらず、突然学校へ行けなくなる子供も珍しくありません。
学校へ行くことより、子供が元気を取り戻す方が大切
「子供を学校へ復帰させなくてはならない」という思いが、親自身の心の負担になっていませんか? 不登校になってしまった今は、子供は学校へ行くことより、しっかりと休むことが必要です。
子供の不登校には段階があります。学校へ行くのを渋る第1段階、学校へほとんど行かず心の葛藤に苦しむ第2段階、エネルギーを蓄える第3段階を経て、学校やフリースクールなどに行き始める第4段階に至ります。それぞれの段階を踏んで、暗いトンネルを自分の足で歩いて抜けた子供は、いつか自らの意思で学校や社会へと出ていきます。
第1、第2段階の状態にある子供は心身ともに疲れ果てています。この段階ではしっかり休むことが必要です。無理やり学校へ引き戻すと、状況がかえって悪化する可能性があります。
(参照元:学校に行きたくないけど無理やり行かせると不登校なのに行くきっかけになる?|不登校が心配~未来の相談室~)
怒りのピークは6~10秒。通り過ぎるのを待とう
子供が学校に行かず、昼夜が逆転するような生活をしていると、思わず怒りに声を荒げてしまうことがあります。怒りを子どもにぶつけると、子供は表面上反発しますが、心の中で罪悪感を感じ、自分を責めてしまいます。自己否定の気持ちが続いている限り、不登校の第2段階から第3段階へと進むことができず、解決は長引いてしまいます。
しかし、親が怒りを感じるのは自然なことで、子供を愛するがゆえの感情ででしょう。かっとなってしまったら、怒りを抑えるのではなく、通り過ぎるのを待ちましょう。怒りの感情のピークは6~10秒で過ぎます。
(参照元:下園壮太(2017年6月)『寛容力のコツ: ささいなことで怒らない、ちょっとしたことで傷つかない 』知的生きかた文庫、Loc387)