なぜ鯉なのか？
では、どうして「鯉」なのでしょうか？ 縁起物は他にもたくさんありますし、勇ましい武士の絵も描かれていました。実は、鯉が縁起物とされるのは、中国の故事「登竜門」が起源です。
中国の黄河には、「龍門」と呼ばれる急流がありました。その「龍門」を上がっていくことができた鯉は、龍になることができるという伝説がありました。それが、『後漢書 李膺伝』で、李膺（りよう、実力者）に認められると将来確実に出世するということから、李膺に認められた人のことを「龍門に登った鯉」と例えられたのです。それから、立身出世のための関門を「登竜門」と呼ぶようになり、日本でも広く普及しました。
「登竜門」の故事は、立身出世を願う風習にぴったりと当てはまり、「鯉」が定着していったようです。
