もう1つの『鯉のぼり』の歌
「こいのぼり」という歌は、近藤宮子作詞の『こいのぼり』以外にも『鯉のぼり』という歌があります。実は『こいのぼり』よりも18年前に作られ、長い間童謡として親しまれてきました。そんな『鯉のぼり』とはどんな歌なのか紹介します。
『鯉のぼり』はどんな歌?
『鯉のぼり』は、1913年(大正2年)5月『尋常小学唱歌 五学年用』(国定教科書共同販売所)に初めて掲載されました。作詞者は不明、作曲者は引田龍太郎です。文部省唱歌として歌われ、文部科学省の学習指導要領による共通教材に選ばれ、『新訂 尋常小学唱歌 第五学年用』(大日本図書)などに掲載されました。
歌詞
『鯉のぼり』の歌詞は以下のとおりです。
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
(引用元:こいのぼり 歌詞の意味 童謡・唱歌|世界の民謡・童謡)
歌詞の意味と解釈
『鯉のぼり』の歌詞は、鯉が滝を上って竜になる中国の伝説「登竜門」が元になっていると言われており、鯉のぼりの雄大さを称えて、男の子が鯉のぼりのように雄大な姿に成長するように、という立身出世の願いが込められています。
歌詞の意味
屋根の瓦の波のように重なり、雲の波のようだ
その重なる波模様の、空の中を
橘の木々が香る、朝の風に吹かれて
鯉のぼりが空高く泳いでいる
鯉のぼりの大きな口は
船をも飲み込んでしまうように見える
豊かになびく尾ひれは
物怖じせず、何にも動じない姿を表している
巨大な滝を登り切った鯉は
すぐに龍になるだろう
男の子たちは、その鯉のようになりなさい
終わりに
日本には四季折々に伝統行事があり、それぞれに有名な歌があります。5月5日のこどもの日には、ぜひ『こいのぼり』や『鯉のぼり』を歌って、端午の節句をお祝いしましょう。子供と一緒に歌う過程で、歌詞の意味や歌に込められた願いを伝えると、より歌への関心が高まることでしょう。
参考
こいのぼり 歌詞の意味 童謡・唱歌|世界の民謡・童謡
童謡「こいのぼり」の歌詞は?「鯉のぼり」は別の歌?|こそだてハック
こいのぼりの歌は何番まである?歌詞を覚えて子どもと一緒に歌おう|teniteo
高島屋特選五月人形|高島屋
【歌唱力が上達する方法】歌い方のコツ・種類・テクニックを徹底紹介|UtaTen
こどもの日・端午の節句の豆知識|All About
学習指導要領「生きる力」|文部科学省