日本より共働きが多い国 フランスを例に
フランスは独立行政法人労働政策研究・研修機構「年齢階級別女性労働力率」のデータによると、25歳から50歳の女性の就業率が80%を超えているように、女性の就業率が高く共働き夫婦が多い国です。働き方や社会の制度に違いはあるものの、どのような部分で日本の共働き夫婦とは違うのでしょうか。フランス人の食事の方法や考え方を見ていきましょう。
調理時間を短くする
作り置きや冷凍食品・お惣菜を使う
料理が得意な人や品数をたくさん用意したい人は、空いた時間に作り置きするのがいいでしょう。もう一品足したいと思ったときなど、作り置きのおかずがあると便利です。
またフランス人の食事は簡素。例えば朝はパンにコーヒーが定番です。夜は前菜のサラダにメインディッシュは冷凍のチキンにワイン、またほかの日はスープにパン。お弁当はパンに生ハムとチーズをはさむむだけ。冷凍商品やお惣菜を利用してパパっと用意できるものと言えます。
日本で同じ食生活を送るのは難しい部分もあります。しかしお味噌汁やたまご焼きなど、簡単に調理できるものを加えて、他のメニューは冷凍商品やお惣菜を利用するといったことであればすぐに実践できます。そして簡単な料理をワンプレートに添えて食べると、食器の使用量が少なくなり、結果的に後片付けの時間が短く済むメリットもあるでしょう。
食材の宅配サービスを使う
料理の時間はあるものの、買い物になかなか行くことができないという人におすすめなのが食材の宅配サービスです。宅配サービス専門店や宅配サービスを実施している大手スーパーもあります。自分で直接店頭で食材が選べない不安や心配がある人でも、お店の人に新鮮な食材を選んでもらえたり、無農薬・有機栽培の食材を利用できるなどの安心できるメリットもあります。
また最近では買った食材に合わせてレシピがついてくるサービスや、主菜と副菜が作れるキットなどが存在。買い物の時間をカットできる上に、毎日の献立を考える手間も省けるサービス、商品があります。
平日は簡素に週末は豪華にという考え方
一汁一菜でもいい
料理研究家の土井善晴さんは「一汁一菜」という食事スタイルを提案しています。ごはんに具だくさんのお味噌汁と漬物、それだれでいいというのです。具だくさんのお味噌汁なら具材を切って煮るだけです。調理スキルに左右されることなく、誰でも簡単に作ることができます。また季節の食材を取り入れることで、同じご飯とお味噌汁の組み合わせも飽きずに続けられます。一汁一菜の考え方はフランスの食事スタイルに通ずるものがありますね。
週末は家族や友人と食事を
フランスの家庭では冷凍商品やお惣菜、一汁一菜といった簡素な食生活を送る平日とは対照的に、週末は少し頑張って豪華に過ごします。
まずは家族総出で買い出しに行きます。そして家族それぞれがメニューを担当して分担し合って料理をします。テーブルセッティングもしっかりしてみんなで食卓を囲み、優雅に過ごします。また友人を招いてホームパーティーをして楽しくおしゃべりをしたり、誕生日など特別な日にはごちそうを作りお祝いをします。
平日簡単な料理をしていても、週末家族みんなで料理をすることによって、家族で過ごす時間を作り、子供と触れ合う時間がきちんと確保しているのです。その中で子供が家庭の味を学んだり、親が料理を教えたりする機会になり食育にもつながります。また大人数で食卓を囲むことが食事をさらにおいしくし、コミュニケーションの場を広げ、平日の疲れを吹き飛ばす楽しい時間にしてくれます。日本の家庭でも、平日は簡素に、休日は豪華にするという考え方をすするのもいいかもしれません。
調理時間より大切な食べる時間
家族で一緒に食べることが大切
食事をしながらおしゃべりをするのが大好きなフランス人。1日のうち1回は家族で顔を合わせてその日の出来事を話したり、楽しくおしゃべりしながら食卓を囲みます。フランス人にとって食事をしながら子供と話すことはとても大切な時間なのです。
作る時間より食べる時間を大切に
一生懸命手の込んだ料理を作り、後片付けに追われる生活ではゆっくり食事ができません。家族みんなで食事し、子供との時間を大切にする。コミュニケーションする時間を確保するために、さまざまな時短の方法を使っています。その方法の一つが冷凍商品やお惣菜の利用なのです。そう考えると簡単な調理、簡素なメニューも悪くないでしょう。