元号の変更で必要となる対応は?
今回の改元は30年前とは異なり、1ヶ月の準備期間があります。しかし、当時と比べて世の中は大きく変化しています。各業界で必要となる対応にはどのようなものがあるのでしょうか。
情報システムの改修
元号の変更により、最も大きな影響を受けるのはコンピューターのソフトウェアなどの情報システム分野です。政府や自治体では証明書などに「昭和」「平成」といった和暦を使用しているため、今回の改元により情報システムの改修が必要となります。
また、MicrosoftはWindows OSやWord、ExcelなどのOfficeソフトを和暦に対応させるための更新プログラムを提供予定です。Windows PCは行政期間や民間企業で広く使われているため、場合によってはなんらかの対応が必要となる可能性があります。
改元がゴールデンウィークの10連休の最中に行われることから、休日返上で対応を求められる人も出てくることが予想されます。
カレンダーメーカーの対応
カレンダーメーカーにとっても元号の変更は大きな問題です。
新元号の発表が2019年のカレンダーの印刷より後になったため、メーカーによっては今年に限って和暦の表示をせず西暦のみの記載とするなどの対応をしています。
はんこメーカーの対応
前回の改元では、新元号「平成」のゴム印の購入が殺到し、材料となる木材の不足で納品に支障が出ました。はんこメーカーでは、当時の教訓を踏まえ、あらかじめ材料を確保して安定供給できるよう準備を進めています。
各自治体も対応を検討
全国の市区町村でも対応が検討されています。予想されるのは、改元に合わせた婚姻届の提出です。
昭和天皇の崩御による平成への改元と異なり、今回は祝賀ムードが広がっている上、5月1日が大安ということもあって大勢のカップルが役所を訪れる可能性があります。これらに対応するため、祝日ということで通常は閉鎖している窓口を改元当日に限って営業する自治体も出てきています。
例えば、三重県の津市役所では5月1日に臨時で開庁し、婚姻届や出生届を受け付けるほか、記念写真のパネルなども用意する予定です。
参考
津市 改元当日に本庁舎開庁 婚姻・出生届け受け付け 三重|伊勢新聞
経理業務
各企業の経理業務にも元号の変更が影響を及ぼすと予想されています。税務や社会保障関連の書類は和暦を用いることが多いためです。税務関係資料の中には、「平成34年3月」などと実際には存在しない数字が使用されていることもあるので、新元号、西暦への変更や確認が必要となります。