花祭りにお釈迦様の像に甘茶をかけるのはなぜ?由来や理由を解説! - cocoiro(ココイロ)

仏教のお祭りである「花祭り」では、お祭りの中でお釈迦様の像に「甘茶」をかけます。なぜ、このようなことをするのでしょうか。

この記事では、花祭りの由来や、なぜお釈迦様の像に甘茶をかけるのか、甘茶とはどのようなものか、さらには「甘茶かけ」が行われる2019年開催の花祭りをご紹介します。

花祭りの由来

花祭りとは、そもそもどのようなお祭りなのでしょうか。まずはその由来を解説していきます。

お釈迦様の誕生を祝うお祭り

花祭りとはお釈迦様の誕生をお祝いする仏教のお祭りです。日本では現在「花祭り」と呼ばれていますが、本来は「灌仏会(かんぶつえ)」と言います。他にも「降誕会(ごうたんえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」「浴仏会(よくぶつえ)」「龍華会(りゅうげえ)」「花会式(はなえしき)」などの花祭りには多くの別名もあり、日本ではお釈迦様を本仏としていない宗派を除いた多くの寺院で開催されています。

花祭りでは、たくさんの花が飾られた小さな御堂に安置されているお釈迦様の像に、竹の柄杓(ひしゃく)で甘茶という甘いお茶をかけて、お釈迦様の誕生をお祝いします。

花祭りの歴史

花祭りの歴史を紹介しましょう。もともとはインドの西側で、仏像や仏塔の周りを回りながら礼拝をする「行道」や、輿に仏像など信仰対象を載せて行列を組んで練り歩く「行像」などが行われていたのが始まりです。4世紀には中国に伝わり、その後、飛鳥時代に日本に伝来したと言われています。「日本書紀」の606年の条に下記のように記されています。

是の年より初めて寺毎に、四月八日、七月十五日に設斎す

(引用元:花祭りと春山入り| 天理大学考古学・民俗学研究室紀要

奈良時代には大きなお寺で始まって広がりを見せ、平安時代にはお寺の年中行事として定着していきました。今の通称である「花祭り」は明治時代に浄土真宗の僧侶・安藤嶺丸が提唱したと言われています。